のたま)” の例文
延陵えんりょう季子きし、その長子をほうむりて、『骨肉は上に帰復すさだめなり。魂気の若きは、すなわちかざるなし、かざるなし』とのたまいし、云云うんぬん
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
貴人又のたまはく、絶えて八六紹巴ぜうは説話ものがたりを聞かず、召せと、八七の給ふに、呼びつぐやうなりしが、八八我がうずすまりしうしろの方より、八九大いなる法師の、おもて九〇うちひらめきて
夕に床にかんとする時、三人の天使わが床にやすみいたり。一人はすそに二人は枕辺まくらべにありて、中央に聖母マリアありぬ。マリアわれにのたまいけるは、ねよ、ためろうなかれと。
天下のたみ寒き者多し独り温煖あたたかならんやとのたまいし。そうの太祖が大度たいどを慕い。あまねく慈善を施せしも。始め蛍の資本ひだねより。炭もやくべき大竈おおかまどと成りし始末の満尾まんび迄。御覧をねがうというよしの。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
よし人目ひとめにはこひともこヽろくるはねばと燈下とうか對坐むかひて、るまじきこひおもひをるしさ、さとしはじめよりの一ねんかたり、めてはあはれとのたまへとうらむに、勿体もつたいなきことヽて令孃ひめ
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
これを制するの道を問わんとのたまいたもう。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
伯母上何をかのたまわむ。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あねたちの難義なんぎゆるやうなれば、いましばらくまりてと、母君はヽぎみものやはらかにのたまひたれど、おゆるしのいでしに甲斐かひなく、夫々それ/\支度したくして老實まめやか侍女つきらみ、出立しゆつたつ何日々々いつ/\内々ない/\とりきめけるを
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)