明智あけち)” の例文
「おねえさまといっても、ほんとうのおねえさまじゃないよ。明智あけち先生の新しいお弟子なんだよ。つまり、えーと、少女助手だよ。」
妖人ゴング (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
種々な小禽ことりの声が、ひのきの密林にきぬいていた。二人の頭脳は冷たく澄み、明智あけちしょうを落ちて来てから初めてまことわれにかえっていた。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
女子すら泰西たいせいの文字を学びこれに通ずる細川忠興ほそかわただおき夫人明智あけち氏の如きあり。その物質上精神上如何いかに偉大なる影響を及ぼしたるかは、夢想だも及ばざらん。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
十年に信長が明智あけち日向守光秀ひうがのかみみつひでに殺された。孝高父子は此時から木下秀吉ひでよしの下に附いて働き、十五年には孝高は豐前國ぶぜんのくに六郡の主にせられた。此時利安は領地を分けて貰つた。
栗山大膳 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
親方がやさし過ぎるので増長した謀反人め、謀反人も明智あけちのようなは道理もっともだと伯龍はくりゅうが講釈しましたがあいつのようなは大悪無道ぶどう、親方はいつのっそりの頭を鉄扇でちました
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
……後に明智あけち光秀の家臣になってほろびたが、武将としては優れた人物で、しよき運に恵まれていたら、大大名として名を成したに違いない。有名な春日局かすがのつぼねは内蔵助の孫である。
蒲生鶴千代 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
かれ十二分の標緻きりょうなしといえども持操貞確、つくえを挙げて眉にひとしくした孟氏のむすめ、髪を売って夫をたすけた明智あけちの室、筆を携えて渡しに走った大雅堂の妻もこのようであったかと思わるる。
それから、ふたりで、明智あけちたんていじむしょへいそぎました。そして、明智先生にも、まほうはかせのことをほうこくするのでした。
赤いカブトムシ (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
名は、後で知ったのだが、明智あけち十兵衛光秀といい、山間の小城ではあるが、きのうまでは、美濃みの明智ノ庄の明智城のぬしだったお方である。
茶漬三略 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さて、そんなさわぎの起こっている、ある日のこと、明智あけち探偵事務所の小林こばやし少年のところへ、へんな電話がかかってきました。
電人M (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
十兵衛にも、故郷にのこしてある母があった。郷里、美濃国みののくに恵那郷えなごう明智あけちしょう明智城あけちじょうにひとりの老母が待っている。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
明智あけち探偵の少年助手、小林芳雄こばやしよしお君は、ある夕方、先生のおつかいに出た帰り道、麹町こうじまちの探偵事務所のちかくの、さびしい町を歩いていました。
鉄塔の怪人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
(お尋ね者です、てまえは。——明智あけちの首を盗んでどこかへそッと埋葬したと噂されている……下手人で)
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「えッ、小林芳雄? はてな、聞いたような名だぞ。もしや、その人は、明智あけち探偵の助手の小林少年じゃあないのかね。」
虎の牙 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
勝入は、むこの武蔵守と、協議の末、さいごの——祐福寺ゆうふくじ明智あけちせんをえらんで、庄内川しょうないがわを渡りはじめた。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
名探偵明智あけち小五郎は、書斎の肘掛椅子ひじかけいすにグッタリともたれこんで、無闇むやみに煙草を吹かしながら、考えごとにふけっていた。
暗黒星 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
一道は、三本木さんぼんぎを経て伊保いほへ出るもの。また諸輪もろわをとおり挙母ころもへ出る道。……それと、長久手ながくて祐福寺ゆうふくじをこえ、明智あけちつつみと出て、岡崎へいたる道との三つでござるが
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
五月のある日のこと、麹町こうじまちの高級アパートにある明智あけち探偵の事務所へ、ひとりの老紳士が、たずねてきました。
おれは二十面相だ (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「まだありますな。前田どの、明智あけちどの、羽柴はしばどの」
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「きみが、井上くんたちをかえさなければ、あの中のひとりが、すぐ明智あけち先生とけいさつへ知らせるのだよ」
まほうやしき (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
姓は明智あけち、名は十兵衛光秀という。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
明智あけち小五郎っていう私立探偵知ってるでしょう? あの人ならば、警察じゃないんだから……」
影男 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「はて。明智あけちという人間は」
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
十人の勇敢ゆうかんな小学生によって組織せられた少年探偵団、団長は明智あけち探偵の名助手として知られた小林芳雄よしお少年、その小林少年の先生は、いうまでもなく大探偵明智小五郎こごろうです。
少年探偵団 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
明智あけち
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
玉村君と松井君とは、明智あけち探偵事務所の小林こばやし少年を団長とする、少年探偵団の団員でした。ですから、ふたりはたいへんなかよしで、どこかへいくときは、たいてい、いっしょでした。
超人ニコラ (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
ある日、麹町こうじまち高級アパートの明智あけち探偵事務所へ、ひとりのりっぱな紳士がたずねてきました。それは東京のみなと区にすんでいる神山正夫かみやままさおという実業家で、たくさんの会社の重役をしている人でした。
奇面城の秘密 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「アア、明智あけち君。まさか君の変装とは知らなかった」
黄金仮面 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「あっ、明智あけち先生。」
仮面の恐怖王 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)