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持来
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もちきた
ふりがな文庫
“
持来
(
もちきた
)” の例文
旧字:
持來
宮は奥より手ラムプを持ちて
入来
(
いりき
)
にけるが、机の上なる書燈を
点
(
とも
)
し
了
(
をは
)
れる時、
婢
(
をんな
)
は台十能に火を盛りたるを
持来
(
もちきた
)
れり。宮はこれを
火鉢
(
ひばち
)
に移して
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
寛政の初年に
阿波
(
あわ
)
からセンバという機械を
直江津
(
なおえつ
)
に
持来
(
もちきた
)
る。一日に千把の稲を扱く故にこの名があった。本名を何というか知らぬと謂っている。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
鉄道は自然界にまで革命を
持来
(
もちきた
)
した。その一例を言えば、この辺で鉄道草と呼んでいる雑草の種子は鉄道の開設と共に進入し
来
(
きた
)
ったものであるという。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
たいまつもなかるべし、
橇
(
かんじき
)
も入るやうになりしぞ、それも
持来
(
もちきた
)
れりといふも、西おとしの
雪荒
(
ゆきあれ
)
にてよくもきこえず。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
このもの医師の命ぜし如く早速蒟蒻あたためて
持来
(
もちきた
)
りしかばそれをば下腹におし当てて再びうとうとと眠りき。
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
ソッと
抜足
(
ぬきあし
)
をして自分の居間へ戻り、六連発銃を
持来
(
もちきた
)
り、襖の間から
斯
(
こ
)
う狙いを附けたから勝五郎は
恟
(
びっく
)
りして
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
種々の科学的知識を解剖台上に
持来
(
もちきた
)
つて、明らかに物そのものを解剖して見せたのである。(芸文——十月号)
愛と認識との出発
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
実は
御願
(
おんねがい
)
に
只今
(
ただいま
)
上りましたので
御座
(
ござ
)
いますと、涙片手の哀訴に、私は
直
(
ただ
)
ちに
起
(
た
)
って、
剃刀
(
かみそり
)
を
持来
(
もちきた
)
って、
立処
(
たちどころ
)
に、その娘の水の
滴
(
た
)
るような緑の黒髪を、根元から、ブツリ切ると
雪の透く袖
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
彼は隣人の世にも珍しい片意地と、その数奇な生活に興味と同情を持っていたが、同時に広い世の中の人と、悲喜哀楽を共にする事が、しあわせを
持来
(
もちきた
)
すのではないかと考えていた。
遺産
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
妻女は
愈々
(
いよいよ
)
哀れに思い死骸を
引取
(
ひきと
)
り、厚く埋葬を
為
(
し
)
てやったが、
丁度
(
ちょうど
)
三七日の
逮夜
(
たいや
)
に何か
拵
(
こしら
)
えて、近所へ配ろうとその用意をしているところへ、
東洋鮨
(
とうようずし
)
から鮨の
折詰
(
おりづめ
)
を沢山
持来
(
もちきた
)
りしに不審晴れず
枯尾花
(新字新仮名)
/
関根黙庵
(著)
六月二十七日、土人イカイラン熊の子二頭を馬の
脊
(
せな
)
に載せて
持来
(
もちきた
)
れり。
関牧塲創業記事
(新字新仮名)
/
関寛
(著)
と云われてお國は成程そうだと急ぎ奥へ駈戻り、手早く身支度をなし、用意の金子や結構な品々を
持来
(
もちきた
)
り
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
やがて静緒の
持来
(
もちきた
)
りし水に
漱
(
くちそそ
)
ぎ、
懐中薬
(
かいちゆうくすり
)
など服して後、心地
復
(
をさま
)
りぬとて又窓に
倚
(
よ
)
りて
外方
(
とのがた
)
を眺めたりしが
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
曾根が一人で訪ねて来たということは、ある目に見えない混雑を三吉の家の内へ
持来
(
もちきた
)
した。曾根は、戸の
間隙
(
すきま
)
からでも入って来て、何時の間にか三吉の前に坐っている人のようであった。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
室の
隅
(
すみ
)
に婆が茶の支度せんとするを、満枝は自ら行きて手を下し、
或
(
あるひ
)
は指図もし、又自ら
持来
(
もちきた
)
りて薦むるなど尋常の見舞客にはあらじと、鴫沢は始めてこの女に注目せるなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
孝助は玄関に参り、
欄間
(
らんま
)
に
懸
(
かゝ
)
ってある槍をはずし、手に取って
鞘
(
さや
)
を
外
(
はず
)
して
検
(
あらた
)
めるに、
真赤
(
まっか
)
に
錆
(
さ
)
びて居りましたゆえ、庭へ
下
(
お
)
り、
砥石
(
といし
)
を
持来
(
もちきた
)
り、槍の身をゴシ/\
研
(
と
)
ぎはじめていると
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
持
常用漢字
小3
部首:⼿
9画
来
常用漢字
小2
部首:⽊
7画
“持”で始まる語句
持
持出
持前
持余
持主
持上
持合
持囃
持病
持參