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悲憤
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ひふん
ふりがな文庫
“
悲憤
(
ひふん
)” の例文
『えゝ、
無責任
(
むせきにん
)
なる
船員
(
せんいん
)
!
卑劣
(
ひれつ
)
なる
外人
(
くわいじん
)
!
海上
(
かいじやう
)
の
規則
(
きそく
)
は
何
(
なん
)
の
爲
(
ため
)
ぞ。』と
悲憤
(
ひふん
)
の
腕
(
うで
)
を
扼
(
やく
)
すと、
夫人
(
ふじん
)
の
淋
(
さび
)
しき
顏
(
かほ
)
は
私
(
わたくし
)
に
向
(
むか
)
つた、
沈
(
しづ
)
んだ
聲
(
こゑ
)
で
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
だが、しかし、その偵察機の上にも、同じ
悲憤
(
ひふん
)
に、唇を噛みしめる軍人たちが、
強
(
し
)
いて冷静を
装
(
よそお
)
って、
方向舵
(
ほうこうだ
)
を
操
(
あやつ
)
っていた。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
いろいろな
悲憤
(
ひふん
)
が胸に燃えてどこをどう歩いたかわからなかった、かれはひょろ長いポプラの下に立ったときはじめてわが家へきたことを知った
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
然
(
しか
)
しながら
彼
(
かれ
)
の
悲憤
(
ひふん
)
に
堪
(
た
)
へぬ
心
(
こゝろ
)
が
嘖
(
さいな
)
まうとするには
與吉
(
よきち
)
の
泣
(
な
)
いて
止
(
や
)
まぬ
火傷
(
やけど
)
がそれを
抑
(
おさ
)
へつけた。
勘次
(
かんじ
)
は
疲
(
つか
)
れた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
この事実にぶつかるごとに、子路は心からの
悲憤
(
ひふん
)
を発しないではいられない。なぜだ? なぜそうなのだ? 悪は一時栄えても結局はその
酬
(
むくい
)
を受けると人は云う。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
▼ もっと見る
啓吉は、当局者の
冷淡
(
れいたん
)
な、事務的な手配と、軽佻な群衆とのために、屍体が不当に、
曝
(
さら
)
し物にされている事を思うと、前より一層の
悲憤
(
ひふん
)
を感じた。笑っている群衆も、群衆である。
死者を嗤う
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
聞きおわった
蔦之助
(
つたのすけ
)
は、こおどりせんばかりによろこんだ。
武田滅亡
(
たけだめつぼう
)
の
末路
(
まつろ
)
をながめて、
悲憤
(
ひふん
)
にたえなかったかれは、伊那丸の
行方
(
ゆくえ
)
を、
今日
(
こんにち
)
までどれほどたずねにたずねていたか知れないのだ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
旦那
(
だんな
)
が
役所
(
やくしよ
)
へ
通
(
かよ
)
ふ
靴
(
くつ
)
の
尖
(
さき
)
は
輝
(
かゞや
)
いて
居
(
ゐ
)
るけれども、
細君
(
さいくん
)
の
他所行
(
よそいき
)
の
穿物
(
はきもの
)
は、むさくるしいほど
泥塗
(
どろまみ
)
れであるが、
惟
(
おも
)
ふに
玄關番
(
げんくわんばん
)
の
學僕
(
がくぼく
)
が、
悲憤
(
ひふん
)
慷慨
(
かうがい
)
の
士
(
し
)
で、
女
(
をんな
)
の
足
(
あし
)
につけるものを
打棄
(
うつちや
)
つて
置
(
お
)
くのであらう。
山の手小景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
快速戦車部隊への
刮目
(
かつもく
)
、敵の空襲や迫撃砲や機関銃に対する
悲憤
(
ひふん
)
、それからまた軍需品製造への緊張
『十八時の音楽浴』の作者の言葉
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と母も
悲憤
(
ひふん
)
の涙にくれていった。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
そして電気殺人たることは判っているのにもかかわらず、それを
瞞著
(
まんちゃく
)
しようとてか短刀を乳房の下に刺しとおしてあるではないか。係官は犯人の
嘲弄
(
ちょうろう
)
に
悲憤
(
ひふん
)
の
泪
(
なみだ
)
をのんだ。
電気看板の神経
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
湯河原中佐と、塩原参謀は、偵察機上から、思わず
悲憤
(
ひふん
)
の
泪
(
なみだ
)
を流したことだった。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“悲憤”の意味
《名詞》
悲しみと同時に憤りを感じること。
(出典:Wiktionary)
悲
常用漢字
小3
部首:⼼
12画
憤
常用漢字
中学
部首:⼼
15画
“悲憤”で始まる語句
悲憤慷慨
悲憤文字
悲憤糠慨