御入來おいで)” の例文
新字:御入来
うつくしびとの寄り合ひて今宵は歌留多の催し、お迎ひの使ひをもあげたかりしに、ようこその御入來おいでと喜こばれて、若きものゝならひ與之助いやならぬ心地のして
花ごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
わすれていだことばもなくよゝときしがおまへさまにそのやうな御覺悟おかくごさせますほどなら此苦勞このくらうはいたしませぬ御入來おいできは不審いぶかしけれど無情つれな御返事おへんじといふにもあらぬを
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
たばそらつきあひみるべきぞとならばうれしけれどしやのねがひに左樣さうゆるにやいつらからば一すぢならでたのみのあるだけまどはるゝなりさてもお便たよりのきこえぬは何故なにゆゑいとはせたまひなば此處こゝへこそ御入來おいでなくとも本宅ほんたくへまで御踈遠ごそゑんとは
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
めづらしやおたかさま今日けふ御入來おいで如何どういふかぜふきまはしか一昨日をとゝひのお稽古けいこにも其前そのまへもおかほつひにおせなさらずお師匠ししやうさまもみなさまも大抵たいていでないおあんがな一日いちにちうはさしてをりましたとうれしげに出迎でむか稽古けいこ朋輩ほうばい錦野にしきのはなばれて醫學士いがくしいもと博愛はくあい仁慈じんじきこえたかきあに
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)