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徙
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うつ
ふりがな文庫
“
徙
(
うつ
)” の例文
錦橋は宝暦十二年に広島に
徙
(
うつ
)
り、安永六年に大坂に徙り、寛政四年に京都に上り、八年に徳川
家斉
(
いへなり
)
の聘を受け、九年に江戸に入つた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
虚栄の念また盛んで馬具で美麗を誇る、故にスペインで不従順な馬を懲らすに荘厳なる頭飾と鈴を取り上げ他の馬に
徙
(
うつ
)
し付けると。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
系ハ
県主稲万侶
(
あがたぬしいねまろ
)
ニ
出
(
い
)
ヅ。稲万侶ノ
後裔
(
こうえい
)
二郎
左衛門尉
(
さえもんのじょう
)
直光知多郡鷲津ノ
地頭
(
じとう
)
ト
為
(
な
)
ル。
因
(
よっ
)
テ氏トス。数世ノ孫甚左衛門
諱
(
いみな
)
繁光
徙
(
うつ
)
ツテ今ノ
邑
(
むら
)
ニ居ル。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
車主
(
エツツリノ
)
は顧みて、否、
盜人
(
ぬすびと
)
の巣なり、警察の
累
(
わずらひ
)
絶ゆる間なければとて、一たび市民の半を山のあなたに
徙
(
うつ
)
し、その跡へは餘所より移住せしめしことあり
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
益
(
ますま
)
す寒威の募るに堪へざりければ、
遽
(
にはか
)
に
煖炉
(
だんろ
)
を調ぜしめて、彼は西洋間に
徙
(
うつ
)
りぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
その後蘇武が
窖
(
あなぐら
)
の中に
幽閉
(
ゆうへい
)
されたとき
旃毛
(
せんもう
)
を雪に和して
喰
(
くら
)
いもって飢えを
凌
(
しの
)
いだ話や、ついに
北海
(
ほっかい
)
(バイカル湖)のほとり人なき所に
徙
(
うつ
)
されて
牡羊
(
おひつじ
)
が乳を出さば帰るを許さんと言われた話は
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
真宗崩じて後、其
后
(
きさき
)
の
悪
(
にくし
)
みを受け、
擅
(
ほしいまま
)
に永定陵を改めたるによって罪を
被
(
こうむ
)
り、且つ
宦官
(
かんがん
)
雷允恭
(
らいいんきょう
)
と交通したるを論ぜられ、崖州に
遠謫
(
えんたく
)
せられ、数年にして道州に
徙
(
うつ
)
され、致仕して光州に居りて
卒
(
しゅつ
)
した。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
谷の奥深く、こっそり
徙
(
うつ
)
って来た、大胆な種族が9000
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
神田から台所町へ、台所町から亀沢町へ
徙
(
うつ
)
されて、
幸
(
さいわい
)
に
凋
(
しお
)
れなかった木である。また山内豊覚が
遺言
(
いげん
)
して五百に贈った
石燈籠
(
いしどうろう
)
がある。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
大正四、五年の頃南岳四谷の旧居を去つて北総市川の里に
徙
(
うつ
)
り寒暑昼夜のわかちなく
釣魚
(
ちょうぎょ
)
を事とせしが大正六年七月十三日白昼江戸川の水に溺れて死せり。人その故を知るものなし。
礫川徜徉記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
矢島
優善
(
やすゆき
)
が隠居させられた時、跡を
襲
(
つ
)
いだ
周禎
(
しゅうてい
)
の
一家
(
いっけ
)
も、この年に弘前へ
徙
(
うつ
)
ったが、その江戸を発する時、三男
三蔵
(
さんぞう
)
は江戸に
留
(
とど
)
まった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
わが父三たび家を
徙
(
うつ
)
して、
終
(
つい
)
に
燕息
(
えんそく
)
の地を大久保村に卜せられし時、
衡門
(
こうもん
)
の傍なる
皀莢
(
さいかち
)
の樹陰に
茅葺
(
かやぶき
)
の廃屋ありて住むものもなかりしを、折から久斎が老母重き病に伏したりと聞き
礫川徜徉記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
棠軒は此年福山に
徙
(
うつ
)
ることを命ぜられ、次年に至つて徙つた。伊沢分家は丸山阿部邸内の蘭軒の旧宅を棄てて去ることになつたのである。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
妙は此妹か。然らば当時徳安改磐安の一家は静岡に
徙
(
うつ
)
つてゐたのであらう。是より先「駿州分家」の語は既に日録に見えてゐた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
この一行は夜に入って大阪に着いて、すぐに林が命令して、杉、生駒と両歩兵隊長とを長堀の土佐藩邸に
徙
(
うつ
)
らせた。
堺事件
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
抽斎の蔵書は兼て三万五千部あるといわれていたが、この年亀沢町に
徙
(
うつ
)
って検すると、既に一万部に満たなかった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
十月二十七日京都を発せさせ給ひ、
閏
(
うるふ
)
十月二日東京なる東伏見宮第に着かせ給ひ、
尋
(
つ
)
いで有栖川宮第に
徙
(
うつ
)
らせ給ふ。能久の名に
復
(
かへ
)
らせたまひ、伏見満宮と称へさせ給ふ。
能久親王年譜
(新字旧仮名)
/
森鴎外
、
森林太郎
(著)
中氏は昔
瓜上
(
うりかみ
)
と称し、
河内
(
かはち
)
の名族であつた。承応二年
和泉国
(
いづみのくに
)
熊取村五門に
徙
(
うつ
)
つて、
世郷士
(
よゝがうし
)
を以て聞えてゐた。此中氏の分家に江戸本所住の三千六百石の旗本
根来
(
ねごろ
)
氏があつた。
津下四郎左衛門
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
七日ゆう、みね、弓太郎、いく般若寺村橋本の家に
徙
(
うつ
)
る。上旬中書籍を売りて、金を窮民に施す。十三日竹上署名す。吉見父子平八郎の陰謀を告発せんと
謀
(
はか
)
る。十五日上田署名す。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
一条河原御殿に
徙
(
うつ
)
らせ給ふ。
親王宣下
(
しんわうせんげ
)
ありて
能久
(
よしひさ
)
と
名告
(
なの
)
らせ給ふ。法諱公現。
能久親王年譜
(新字旧仮名)
/
森鴎外
、
森林太郎
(著)
母はこれに
臥所
(
ふしど
)
を
徙
(
うつ
)
して喜んだが、間もなく世を去った。今わたくしが書斎にしているのがこの部屋で、壁は中塗のままである。昔崖の上の小家の台所であった辺が、この部屋の敷地である。
細木香以
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
梶井宮第に
徙
(
うつ
)
らせ給ふ。
能久親王年譜
(新字旧仮名)
/
森鴎外
、
森林太郎
(著)
徙
漢検1級
部首:⼻
11画
“徙”を含む語句
移徙
徙崖
遷徙
徙戎
東徙