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彼自身
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かれじしん
ふりがな文庫
“
彼自身
(
かれじしん
)” の例文
目をとじて、彼は心の隅々までを、
総
(
そう
)
ざらいしていた。すると、
忽然
(
こつぜん
)
、
彼自身
(
かれじしん
)
にすら驚かれるような本心が、大きく彼の意識にのぼった。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼
(
かれ
)
はちょうど、そうぞうしい
蜂
(
はち
)
の
巣
(
す
)
のようだった。しかし
誰
(
たれ
)
もそれに気づかなかった。
彼自身
(
かれじしん
)
も
気
(
き
)
づかなかった。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
彼
(
かれ
)
は
周圍
(
しうゐ
)
が
寂
(
さび
)
しいとも
何
(
なん
)
とも
思
(
おも
)
はなかつた。
然
(
しか
)
し
彼自身
(
かれじしん
)
は
見
(
み
)
るから
枯燥
(
こさう
)
して
憐
(
あは
)
れげであつた。
彼
(
かれ
)
は
少
(
すこ
)
しきや/\と
痛
(
いた
)
む
腰
(
こし
)
を
延
(
のば
)
して
荷物
(
にもつ
)
を
脊負
(
せお
)
つて
立
(
た
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
ほんとうに、あの
男
(
おとこ
)
が、
急
(
きゅう
)
に
死
(
し
)
のうなどとだれも
思
(
おも
)
うまいよ。
彼自身
(
かれじしん
)
だって
思
(
おも
)
わなかったにちがいない。これをみても、こうして、
無事
(
ぶじ
)
に、一
日
(
にち
)
が
送
(
おく
)
られるということは、
幸福
(
こうふく
)
なことだよ。
死と話した人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
彼自身
(
かれじしん
)
も、
斯
(
こ
)
んな意味の結婚を敢てし得る程度の
人間
(
にんげん
)
だと
自
(
みづか
)
ら
見積
(
みつもつ
)
てゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
彼
(
かれ
)
は、
彼自身
(
かれじしん
)
の
足跡
(
あしあと
)
をふりかへつて
靜
(
しづ
)
かに
嘆息
(
たんそく
)
するやうに
云
(
い
)
つた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
それでも
醫者
(
いしや
)
への
謝儀
(
しやぎ
)
や
其
(
そ
)
の
他
(
た
)
で
彼自身
(
かれじしん
)
の
懷中
(
ふところ
)
はげつそりと
減
(
へ
)
つて
畢
(
しま
)
つた。さうして
小作米
(
こさくまい
)
を
賣
(
う
)
つた
苦
(
くる
)
しい
懷
(
ふところ
)
からそれでも
彼
(
かれ
)
は
自分
(
じぶん
)
の
居
(
ゐ
)
ない
間
(
あひだ
)
の
手當
(
てあて
)
に五十
錢
(
せん
)
を
託
(
たく
)
して
行
(
い
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
お
品
(
しな
)
が
居
(
ゐ
)
ないと
殊更
(
ことさら
)
にいふのはそれは一つには
彼自身
(
かれじしん
)
の
斷念
(
あきらめ
)
の
爲
(
ため
)
でもあつたのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
彼
常用漢字
中学
部首:⼻
8画
自
常用漢字
小2
部首:⾃
6画
身
常用漢字
小3
部首:⾝
7画
“彼”で始まる語句
彼
彼方
彼奴
彼女
彼処
彼方此方
彼岸
彼様
彼是
彼等