弥吉やきち)” の例文
新吉しんきちは、九つのとき、ほんの一病気びょうきになってたばかりでんでしまいました。弥吉やきちじいさんの、なげきは一通ひととおりでありません。
都会はぜいたくだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
いや、馬鹿ばかはさみは使ひやうだ、おまへきらひだが、おれすきだ……弥吉やきち何処どこつた、弥吉やきちイ。弥「えゝー。長「フヽヽ返事が面白おもしろいな……さ此方こつちい。弥 ...
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
それも言いかわした相手がうちの手代の弥吉やきちじゃ、とこのようなことを申しましたのでな、腹が立つやら、情けないやらで、むやみとがみがみしかりつけたのでござります。
当時の生徒で、今名を知られているものは山路愛山やまじあいざんさんである。通称は弥吉やきち、浅草堀田原ほったはら、後には鳥越とりごえに住んだ幕府の天文かた山路氏のえいで、元治げんじ元年に生れた。この年二十三歳であった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
菊枝は前の囲者が居た時分から、縁あってちょいちょい遊びに行ったが、今のお縫になっても相変らず、……きっとだと、両親ふたおやが指図で、小僧兼内弟子の弥吉やきちというのをむかいに出すことにした。
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
弥吉やきちじいさんのまごに、新吉しんきちという少年しょうねんがありました。おかねとはなかよしでありました。新吉しんきちには両親りょうしんがなく、おじいさんにそだてられたのであります。
都会はぜいたくだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
それがいやだからおれかはりに弥吉やきち馬鹿野郎ばかやらうつて、一でこり/\するやうにしてやらう。
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
このとき、彼女かのじょあたまに、弥吉やきちじいさんのかおかびました。じいさんは、川魚かわうおをとって生活せいかつしたのであります。どんなくらあめばんかけてゆきました。
都会はぜいたくだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
し遊ばせよ、あなたはあれ怜悧りこう思召おぼしめして目をけていらツしやいますが、今朝けさ合羽屋かつぱや乳母おんばさんが店でおばうさんを遊ばしてそばで、弥吉やきちが自分のかゝとの皮をいてべさせたりして
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)