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引添
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ひきそ
ふりがな文庫
“
引添
(
ひきそ
)” の例文
書生が往きかけるので、主翁もすぐ
後
(
あと
)
に
引添
(
ひきそ
)
うて往った。池の
側
(
そば
)
や林の中に書生の姿が見えた。主翁はただ書生に遅れまいと思って
跟
(
つ
)
いて往った。
黄灯
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
山
(
やま
)
を
切
(
き
)
り
崩
(
くづ
)
して、それに
引添
(
ひきそ
)
ふやうに
建
(
た
)
てられたこの
家
(
いへ
)
の二
階
(
かい
)
からは、
丁度
(
ちやうど
)
迫
(
せま
)
らぬ
程度
(
ていど
)
にその
斜面
(
しやめん
)
と
空
(
そら
)
の一
部
(
ぶ
)
とが、
仰臥
(
ぎやうぐわ
)
してゐる
私
(
わたし
)
の
目
(
め
)
に
入
(
はい
)
つて
來
(
く
)
る。
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
「
叱
(
しっ
)
!」とばかり、此の時覚悟して立たうとした桂木の
傍
(
かたわら
)
に
引添
(
ひきそ
)
うたのは、再び目に見えた
破家
(
あばらや
)
の
媼
(
おうな
)
であつた、
果
(
はた
)
せるかな、糸は其の手に無かつたのである。
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
山影
(
やまかげ
)
ながら
颯
(
さつ
)
と
野分
(
のわき
)
して、
芙蓉
(
ふよう
)
に
咽
(
むせ
)
ぶ
浪
(
なみ
)
の
繁吹
(
しぶき
)
に、
小
(
ちひさ
)
き
輪
(
りん
)
の
虹
(
にじ
)
が
立
(
た
)
つ——あら、
綺麗
(
きれい
)
だこと——それどころかい、
馬鹿
(
ばか
)
を
言
(
い
)
へ——
男
(
をとこ
)
の
胸
(
むね
)
は
盥
(
たらひ
)
に
引添
(
ひきそ
)
ひて
泳
(
およ
)
ぐにこそ。
婦人十一題
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
引添
(
ひきそ
)
つて、
手拭
(
てぬぐひ
)
を
吉原
(
よしはら
)
かぶりで、
艷
(
えん
)
な
蹴出
(
けだ
)
しの
褄端折
(
つまぱしより
)
をした、
前髮
(
まへがみ
)
のかゝり、
鬢
(
びん
)
のおくれ
毛
(
げ
)
、
明眸皓齒
(
めいぼうかうし
)
の
婦人
(
ふじん
)
がある。しつかりした、さかり
場
(
ば
)
の
女中
(
ぢよちう
)
らしいのが、もう
一人
(
ひとり
)
後
(
あと
)
についてゐる。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
桂木は
拳
(
こぶし
)
を握つて石になつた、
媼
(
おうな
)
の袖は柔かに
渠
(
かれ
)
を
蔽
(
おお
)
うて
引添
(
ひきそ
)
ひ居る。
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
引
常用漢字
小2
部首:⼸
4画
添
常用漢字
中学
部首:⽔
11画
“引”で始まる語句
引
引込
引摺
引返
引張
引掛
引籠
引立
引緊
引出