“完膚:かんぷ” の例文
“完膚:かんぷ”を含む作品の著者(上位)作品数
吉川英治12
太宰治2
岡本綺堂2
中里介山2
織田作之助2
“完膚:かんぷ”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 諸芸・娯楽 > 将棋7.7%
社会科学 > 風俗習慣・民俗学・民族学 > 風俗習慣・民俗学・民族学4.3%
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.6%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
そして予想せられた如く完膚かんぷなく敗北し、家康は血にそまって、ともかく城へ逃げ帰ることができたのである。
家康 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
妥協性はなかったが、どこまでも陽性で、よく論じよく怒りよく笑いなかんずく論敵を完膚かんぷなきまでに説破することを最も得意としていた。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
その院宣はついに、西の宮、御影みかげの再起戦でも負け、完膚かんぷなきまで、官軍にたたかれたさいごの日まで、彼の手には入らなかった。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
呉の大将孫桓も若いし初陣でもあったので、関興、張苞に完膚かんぷなきまで全陣地を蹂躙じゅうりんされた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「待っていた」とばかり穏れていた許褚の手勢に捕捉されて、完膚かんぷなきまでに粉砕され、楊昂自身も、敢なくかばねを野にさらしてしまった。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
完膚かんぷないまでにひとつの鉱山をやっつけると、この切迫した表情と、いよいよ昂揚する精神をひっさげて、疾風のようにつぎの鉱山へ乗りこんでゆく。
キャラコさん:04 女の手 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
やや奇矯ききょうに失した私の民族起原論が、ほとんど完膚かんぷなく撃破せられるような日がくるならば、それこそは我々の学問の新らしい展開である。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
ここに於いて、かの落第生伊村君の説は、完膚かんぷまでに論破せられたわけである。
(新字新仮名) / 太宰治(著)
味方の死傷もかなり出たが、美濃方は、完膚かんぷなきまでの惨敗を、その夜、記録してしまった。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
呉の深謀も、ついに魏をあざむけなかった。魏にも活眼の士はある。司馬仲達の言は、まさに完膚かんぷなきまで、呉の詐術さじゅつを暴露したものであった。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
妓に裏切られた時に完膚かんぷなきまでに傷ついた自尊心の悩みにりたてられていた。
(新字新仮名) / 織田作之助(著)
見ると、さすがのシュミッドが前後二巻一頁として完膚かんぷなきまで真黒になっている。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
こう聞いた王朗おうろうは、仰天して城を出た。そして査涜へ駆けつける途中、またも孫策の伏兵にかかって、ついに王朗の兵は完膚かんぷなきまでに殲滅せんめつされた。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
船長リンドボーン大佐以下四十五名の乗組員は、敵国の首都を、完膚かんぷなきまでに爆撃した彼等の武勲を、唯一ゆいいつなぐさめとしてアクロン号と運命を共にした。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
彼女の男性嘲笑は、その結婚にり、完膚かんぷ無きまでに返報せられた。
古典風 (新字新仮名) / 太宰治(著)
織田方の二番備え、坂井右近の隊は、完膚かんぷなきまで、叩きつけられた。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
自分に対する尊氏の弾劾状を、完膚かんぷなきまでにたたいて「尊氏兄弟こそは、大逆無道な人非人である」ときめつけ、箇条書きに、尊氏の“八逆の罪”なるものをそれにあげている。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その他、参覲交代さんきんこうたいの大名という大名で、この下郎共の口の端にかかって完膚かんぷのあるのはないが、百万石、加賀様だけは別扱いになって、さのみ悪評が残らない——
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
関羽と一手になって曹操の中軍を完膚かんぷなきまで討ちのめすこと
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すでにきのうの一戦で敵は完膚かんぷなきまで叩いてある。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
重盛の叡智えいち、学識は、赤子の手でもひねるように、諄々じゅんじゅんと熱せず迫らず、父の大ざっぱで浅い我説を反駁はんばくして、完膚かんぷなきまでくつがえしてしまうであろう。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あまりのことにあきれ果ててお角は、それからそれと見てゆくうちに、一巻の絵本のうち、女という女のかおは、どれもこれも、突かれたり汚されたり、完膚かんぷのあるのは一つもないという有様でした。
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
と、いきどおりを、満面にみなぎらし、時もあろうに、前線の守城しゅじょうを脱けて、のめのめと、自分に降伏をすすめに来たこの一老臣の言を、頭からどなりつけて、完膚かんぷなきまで、ののしった。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
下宿屋を二、三度持ちあるいたり、三、四度も転居したりしたので、ほとん完膚かんぷなしというほどに疵だらけになっていましたが、それが使い馴れていて工合がよいので、ついそのままに使いつづけていました。
私の机 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
すでに姜維の奇略に落ちて、さんざんに駈け散らされた趙雲の蜀兵は、平路を求めて潰走かいそうしてくると、ここにまた、馬遵の旋回して来るあって、腹背ふくはいに敵をうけ、完膚かんぷなきまでに惨敗を喫した。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
下宿屋を二、三度持ちあるいたり、三、四度も転居したりしたので、ほとんど完膚かんぷなしと云うほどに疵だらけになっていましたが、それが使い馴れていて工合ぐあいがよいので、ついそのままに使いつづけていました。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
可惜あたら、まるで御見当ごけんとうちがいだ。敵の息の根をとめるのは、ここもう一ト押し。ゆくすえまでの、わずらいの根も、先ごろ践祚せんそされた新帝のおんためには、このさい、完膚かんぷなきまで、たたきつぶしておかねばなりません」
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「——あわれむべし、周瑜しゅうゆ魯粛ろしゅくも、天の時を知らず、運の尽きるを知らぬ。彼らの陣中からひそかに予に気脈を通じて来おる者すらある。そうしてすでに呉軍の内輪に心腹の病を呈しておるのだ。いかでわが水陸軍の一撃に完膚かんぷあらんや」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それは、磯五が上方における若竹との旧悪から、おせい様をたぶらかして磯屋の店を手に入れたこと、それから若松屋惣七の両替ならびに仲介業なかだちぎょうをつぶそうとした奸悪かんあくな手段にまで言及したもので、完膚かんぷなきまでに磯五をやっつけたものであった。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ジュリアン・バンダがフランス本国から近著した雑誌で、ヴァレリイ、ジイド等の大家を完膚かんぷなきまでに否定している一方、ジャン・ポール・サルトルがエグジスタンシアリスム(実存主義)を提唱し、最近巴里パリで機関誌「現代」を発行し、巻頭に実存主義文学論を発表している。
可能性の文学 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
従って警察方面の捜索方針も単純かつ粗放にして、現場の証拠等は事件発生の翌日に於て、完膚かんぷなき迄に攪乱蹂躙かくらんじゅうりんされおり、充分なる調査をぐるを得ず、しかれ共なお、現場の形況及び前記各項の談話、警察当事者の記憶、近隣の噂等を綜合したる結果、この事件の特徴として左の諸項を認め得たり。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)