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如才
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じよさい
ふりがな文庫
“
如才
(
じよさい
)” の例文
よく肥つた三十五六の男で、愛嬌のある顏、要領の惡い口調、一應はボーツとしたやうに見えて、思ひの外
如才
(
じよさい
)
がないところがあります。
銭形平次捕物控:152 棟梁の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
掛け
頓
(
やが
)
て一座と成て
酒宴
(
さかもり
)
の
中
(
うち
)
後家に心有り
氣
(
げ
)
なる
面白可笑
(
おもしろをかし
)
き
盃盞
(
さかづき
)
ことに後家のお勇も
如才
(
じよさい
)
なき
人物
(
しろもの
)
故
(
ゆゑ
)
重四郎が樣子を
熟々
(
つく/″\
)
見るに年はまだ三十歳を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
そこでは、梅子が
如才
(
じよさい
)
なく、代助の過去に
父
(
ちゝ
)
の
小言
(
こごと
)
が
飛
(
と
)
ばない様な
手加減
(
てかげん
)
をした。さうして談話の潮流を、成るべく今帰つた来客の品評の方へ
持
(
も
)
つて
行
(
い
)
つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
此の冷泉に
如才
(
じよさい
)
は露なけれども、まだ都慣れぬ彼の君なれば、御身が事
可愛
(
いと
)
しとは思ひながら、返す言葉のはしたなしと思はれんなど思ひ煩うてお
在
(
は
)
すにこそ、咲かぬ
中
(
うち
)
こそ莟ならずや
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
もう、
其處等
(
そこら
)
に
如才
(
じよさい
)
はござりません、とお
手代
(
てだい
)
。こゝで
荷鞍
(
にぐら
)
へ、
銀袋
(
ぎんたい
)
と
人參
(
にんじん
)
の
大包
(
おほづつみ
)
を
振分
(
ふりわ
)
けに、
少年
(
せうねん
)
がゆたりと
乘
(
の
)
り、
手代
(
てだい
)
は、
裾短
(
すそみじか
)
な
羽織
(
はおり
)
の
紐
(
ひも
)
をしやんと
構
(
かま
)
へて、
空高
(
そらたか
)
き
長安
(
ちやうあん
)
の
大都
(
だいと
)
を
行
(
ゆ
)
く。
人参
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
世馴
(
よな
)
れた人の
如才
(
じよさい
)
ない
挨拶
(
あいさつ
)
としか
長吉
(
ちやうきち
)
には
聞取
(
きゝと
)
れなかつた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
店で働いて居るだけに、
如才
(
じよさい
)
のないことはお縫と反對で、
敷居際
(
しきゐぎは
)
に手を突いて、支配人と平次の顏を等分に見上げました。
銭形平次捕物控:020 朱塗りの筐
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
己が役にして居る所に兩國米澤町の花の師匠にて相弟子の六之助と云ふは
同所
(
どうしよ
)
廣小路
(
ひろこうぢ
)
の虎屋の
息子
(
むすこ
)
なるが何事も
如才
(
じよさい
)
なく
平生
(
へいぜい
)
吉之助とは
交
(
まじは
)
り
厚
(
あつ
)
かりしが
或時
(
あるとき
)
吉之助を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
馴
(
な
)
れて
如才
(
じよさい
)
ない
扱
(
あつか
)
ひに、
苦
(
にが
)
つた
顔
(
かほ
)
してうなづいて
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
色の淺黒い、立居振舞のハキハキした、鋭さと
如才
(
じよさい
)
なさと、誰にでも好感を持たせる機智と愛嬌の持主らしく見えます。
銭形平次捕物控:184 御時計師
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
計り口に
合
(
あふ
)
やうに
如才
(
じよさい
)
なく
商
(
あきな
)
ふゆゑに何時も一ツも
殘
(
のこ
)
さず
皆
(
みな
)
賣
(
うり
)
て
夕刻
(
ゆふこく
)
には歸り來り夫から又
勝手
(
かつて
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
それから醫者なんてものはいろんな事を知つて居るものだ、
如才
(
じよさい
)
もあるまいが、主人のこと、身内のこと、奉公人達のことも出來るだけ聽いて來るが宜い
銭形平次捕物控:165 桐の極印
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
これは三十五六の柄の大きい、ぽーつとした感じの男ですが、調子にはなか/\
如才
(
じよさい
)
ないところがあります。
銭形平次捕物控:152 棟梁の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「番頭の
才
(
さい
)
八はちよいと男つ振りの好い三十男で、遊び好きで
如才
(
じよさい
)
がなくて、金さへありや、新宿の大門を一と晩でも閉めて見たいといふ、のぼせた野郎で」
銭形平次捕物控:290 影法師
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
用人の水谷六郎兵衞、恐ろしく
如才
(
じよさい
)
ない調子です。五十前後の用人
摺
(
ず
)
れのした滑めらかな人間で、平次と八五郎と顏見合せて苦笑ひしたほどの愛想振りです。
銭形平次捕物控:210 飛ぶ女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
中は舊家らしい頑丈な構へですが、思ひの外質素で、檢屍の役人を送り出したばかりの主人六右衞門と、老番頭の茂兵衞はそれでも
如才
(
じよさい
)
なく二人を迎へてくれました。
銭形平次捕物控:176 一番札
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
鍵屋金右衞門は十七八年の間に數萬の金を
拵
(
こさ
)
へた、鬼のやうな六十男。
剛情
(
がうじやう
)
で我慢強くて、冷酷で無慙で、そのくせ、
如才
(
じよさい
)
の無い男、金貸しに生れついた樣な人間です。
銭形平次捕物控:302 三軒長屋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
如才
(
じよさい
)
なく訊いて見ましたよ。——ところが何んにも知らないんださうです」
銭形平次捕物控:225 女護の島異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「それも
如才
(
じよさい
)
なく訊きました、すると、何よりの道樂は
釣
(
つり
)
だけ、昨夜も夜釣に行つて
曉方
(
あけがた
)
歸つたといふことでしたよ、こいつは突つ込みやうがありませんよ、尤も連れがあつたわけでないから、疑へば疑へるわけだ」
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「其處に
如才
(
じよさい
)
があるものか、この通り」
銭形平次捕物控:188 お長屋碁会
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次は
如才
(
じよさい
)
なく三人に挨拶しました。
銭形平次捕物控:113 北冥の魚
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
などと
如才
(
じよさい
)
もありません。
銭形平次捕物控:270 転婆娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
などと
如才
(
じよさい
)
もありません。
銭形平次捕物控:321 橋場の人魚
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“如才”の意味
《名詞》
如 才 (じょさい)
手落ち。手抜かり。
(出典:Wiktionary)
如
常用漢字
中学
部首:⼥
6画
才
常用漢字
小2
部首:⼿
3画
“如”で始まる語句
如何
如
如何様
如来
如此
如意
如露
如法
如月
如是