大屋おほや)” の例文
仕事屋しごとやのおきやう今年ことしはるより此裏このうらへとしてものなれど物事ものごと氣才きさいきて長屋中ながやぢゆうへの交際つきあひもよく、大屋おほやなれば傘屋かさやものへは殊更ことさら愛想あいさう
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
此噺このはなし日外いつぞやしも日待ひまちとき開始ひらきはじめしより、いざや一くわいもよほさんと、四方赤良大人よものあからうし朱楽管江大人あけらくわんかううし鹿都辺真顔しかつべまがほ大屋おほや裏住うらずみ竹杖たけづゑ為軽すがる、つむりの光、宿屋やどや飯盛めしもりを始めとして
落語の濫觴 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
かしらうち大屋おほやさんで御座ござりますからとてしほれるをすかして、さらば門口かどぐちまでおくつてる、からるゝやうのことぬわとてれらるゝに四隣あたりひとむねでゝはるかに見送みおくれば
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
大屋樣おほやさま地主樣ぢぬしさまいづれの御無理ごむり御尤ごもつともけるたちなれば、長吉ちようきち喧嘩けんくわしてこれこれの亂暴らんぼうひましたとうつたへればとて、それはうも仕方しかた大屋おほやさんの息子むすこさんではいか
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ずつとお月樣つきさまのさすはうへ、さ、蒲團ふとんれ、蒲團ふとんへ、うもたゝみきたないので大屋おほやつてはいたが職人しよくにん都合つがふがあるとふてな、遠慮ゑんりよなにらない着物きものがたまらぬかられをひて
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)