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おほや
頭の
家は
大屋さんで
御座りますからとて
凋れるをすかして、さらば
門口まで
送つて
遣る、
叱からるゝやうの
事は
爲ぬわとて
連れらるゝに
四隣の
人胸を
撫でゝはるかに
見送れば
大屋樣地主樣いづれの
御無理も
御尤と
受ける
質なれば、
長吉と
喧嘩してこれこれの
亂暴に
逢ひましたと
訴へればとて、それは
何うも
仕方が
無い
大屋さんの
息子さんでは
無いか
ずつとお
月樣のさす
方へ、さ、
蒲團へ
乘れ、
蒲團へ、
何うも
疊が
汚ないので
大屋に
言つては
置いたが
職人の
都合があると
言ふてな、
遠慮も
何も
入らない
着物がたまらぬから
夫れを
敷ひて
呉れ