壯佼わかもの)” の例文
新字:壮佼
酒代さかてをしまぬ客人きやくじんなり、しか美人びじんせたれば、屈竟くつきやう壯佼わかものいさみをなし、曳々聲えい/\ごゑはせ、なはて畦道あぜみちむらみちみにんで、三みちに八九時間じかん正午しやうごといふのに、たうげふもと
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
屈竟くつきやうなる壯佼わかものしたるが、くるまゆるやかに、蜘蛛手くもでもり下道したみちを、ひといへたづなやみつとおぼしく、此處こゝ彼處かしこ紫陽花あぢさゐけりとところかならず、一時ひとときばかりのあひだ六度むたび七度なゝたびであひぬ。
森の紫陽花 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ところへ! とも二人ふたりつれて、車夫體しやふてい壯佼わかものにでつぷりとえた親仁おやぢの、くちびるがべろ/\として無花果いちじゆくけたるごとき、めじりさがれる、ほゝにくつかむほどあるのをはして、六十ろくじふ有餘いうよおうなたけ拔群ばつくんにして
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)