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唐子
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からこ
ふりがな文庫
“
唐子
(
からこ
)” の例文
ちやうど朝鮮の李王家の美術館に在る葡萄の蔓の間に
唐子
(
からこ
)
を染付けた水差の模様のやうにあひしらはうかと思つたが、それは失敗した。
本の装釘
(新字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
思懸
(
おもいが
)
けず、何の広告か、屋根一杯に大きな
布袋
(
ほてい
)
の絵があって、下から見上げたものの、さながら
唐子
(
からこ
)
めくのに、思わず苦笑したが
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
子供はよく大人を
観
(
み
)
る。さあこれからというもの、この
唐子
(
からこ
)
は、おヒゲの小父ちゃんを見かけると、彼のあとを追っかけ廻して離れない。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
当日は両人で来て、仕事を頼むというので、どういう御注文かというと、
唐子
(
からこ
)
が器物を差し上げている形を作ってくれという。
幕末維新懐古談:26 店初まっての大作をしたはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
唐子
(
からこ
)
のような人が二人で笑っていた。あれが寒山と拾得とをかいたものである。寒山詩はその寒山の作った詩なのだ。詩はなかなかむずかしいと言った。
寒山拾得縁起
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
多町の
鍾馗
(
しょうき
)
は山車中の王、一丈余の大人形で、錦の幕を垂れ、中央の大太鼓を
唐子
(
からこ
)
風の男二人が左右から打つ。
明治世相百話
(新字新仮名)
/
山本笑月
(著)
と叫びたいのを懸命で
怺
(
こら
)
えたQX30だった。見よ! 見よ! あの女がいるではないか。敵の副司令が、
唐子
(
からこ
)
になって、
白々
(
しらじら
)
しくも踊っているのだ。決った!
間諜座事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
お声に応じて、横手の、
唐子
(
からこ
)
が
戯
(
たわむ
)
れている
狩野派
(
かのうは
)
の
図
(
ず
)
をえがいた塗り扉をあけて、ひょっくりあらわれた人物を見ると、……誰だってちょっとびっくりするだろう。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
唐子
(
からこ
)
とは
唐人
(
からびと
)
の義なり。
家人
(
けにん
)
を家の子と稱し、奴隷をヤツコ(家の子の義)と稱するも同じ義なり。古代には、人を稍見下げて云ふ時に、子と云ひしものと見えたり。
蝦夷とコロボツクルとの異同を論ず
(旧字旧仮名)
/
喜田貞吉
(著)
「この床の間ぢやよ、——見事な大幅での、
元
(
げん
)
時代のものにしては大した
損傷
(
いたみ
)
もなく、目の覺めるやうな
極彩色
(
ごくさいしよく
)
ぢや。五人の
唐子
(
からこ
)
が
牡丹
(
ぼたん
)
の咲き亂れる庭で、遊んでゐる圖ぢや」
銭形平次捕物控:226 名画紛失
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
多くは
浅黄地
(
あさぎじ
)
にて
裾
(
すそ
)
回りに色とりどりの図案にて七福神の踊りとか
唐子
(
からこ
)
遊戯の図などが染出された木綿の
長襦袢
(
ながじゅばん
)
のようなものである。祝着というても祝祭日に着るわけでもない。
吊籠と月光と
(新字新仮名)
/
牧野信一
(著)
蜘蛛は薄紅色の乳房を二本の足で
捉
(
とら
)
えて居るのだ。むっちりと、粘着する様な下腹の白い
餅肌
(
もちはだ
)
には一人の
唐子
(
からこ
)
がその乳房を求めて、小さな両手を差し上げて居る。
童子
(
どうじ
)
も裸であった。
刺青
(新字新仮名)
/
富田常雄
(著)
肥って丸い
唐子
(
からこ
)
が子をとろ遊びをしている模様のお汁碗をくれました。
獄中への手紙:05 一九三八年(昭和十三年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
絵にある
唐子
(
からこ
)
の姿で今も南京上海の街、田舎の辻々に遊んでいる。
中支遊記
(新字新仮名)
/
上村松園
(著)
春の野は
唐子
(
からこ
)
抱
(
いだ
)
ける母も
出
(
で
)
て夕陽こもれるよき空気なり
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
墨梅
(
ぼくばい
)
の
間
(
ま
)
、八景の間、
雉子
(
きじ
)
の間、
唐子
(
からこ
)
の間など、もう画工は不眠で描いているし、
塵
(
ちり
)
も嫌う漆師は、朱欄や黒壁を塗りながら、わき目をふらず、職域に没頭している。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私
(
わたくし
)
は
取
(
と
)
り
敢
(
あ
)
へずこんな
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
つた。
床
(
とこ
)
の
間
(
ま
)
に
先頃
(
さきころ
)
掛
(
か
)
けてあつた
畫
(
ゑ
)
をおぼえてゐるだらう。
唐子
(
からこ
)
のやうな
人
(
ひと
)
が
二人
(
ふたり
)
で
笑
(
わら
)
つてゐた。あれが
寒山
(
かんざん
)
と
拾得
(
じつとく
)
とをかいたものである。
寒山拾得縁起
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
ところで第五景の「
山賊邸
(
さんぞくてい
)
展望台」では
唐子
(
からこ
)
の娘として、柳ちどりが出る。
間諜座事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
山水に
青丹瓦
(
あをにかはら
)
ぞ古りにける
美豆良
(
みづら
)
の
唐子
(
からこ
)
描
(
か
)
かばこの
前
(
まへ
)
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「
併
(
しか
)
し、お前さんの
唐子
(
からこ
)
は死んでるよ」
刺青
(新字新仮名)
/
富田常雄
(著)
昼からさんざんせがまれていた
朱同
(
しゅどう
)
は、たそがれ、まだ燈籠流しには早すぎるが、主人の
唐子
(
からこ
)
を肩ぐるまに乗ッけて、長官邸から遠くもない地蔵寺へ出かけて行った。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
怪しげなる
囃
(
はやし
)
につれて、一隊の
唐子
(
からこ
)
が踊りつつ舞台へ上ってきた。
間諜座事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ちかぢかと我は眺むる野の日向遊ぶ
唐子
(
からこ
)
の影走りをる
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
ところへ、チョコチョコと、
唐子
(
からこ
)
人形みたいな愛くるしい四ツばかりな男の子が入って来て、そこらで
悪戯
(
いたずら
)
していたと思うと、朱同の
髯
(
ひげ
)
が童心の好奇をそそったものとみえる。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
絵に描いた
唐子
(
からこ
)
のようによく肥えた亀一は、若い父の腕にも重かった。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“唐子”の解説
唐子(からこ)とは、中国風の髪形や服装をした子供が遊んでいる姿を図像として表現した日本語における美術用語、また、その意匠。頭の両側を残して上部を剃り、上で結ぶ独特のヘアスタイルを採ることが多い。
(出典:Wikipedia)
唐
常用漢字
中学
部首:⼝
10画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
“唐子”で始まる語句
唐子嬉遊
唐子姿
唐子髷