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取乱
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とりみだ
ふりがな文庫
“
取乱
(
とりみだ
)” の例文
旧字:
取亂
山の者のいうところをききますと、阿闍利さまは夜となく昼となく童子の死体のそばを離れず、
取乱
(
とりみだ
)
して嘆いておられました。
あじゃり
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
弟子は
直
(
す
)
ぐ出て来て「夫人が
取乱
(
とりみだ
)
した風をして居て失礼ですけれど
一寸
(
ちよつと
)
門
前
(
ぜん
)
で
御
(
ご
)
挨拶をすると申されますから
御
(
お
)
待ち下さい」
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
第
(
だい
)
一、
病中
(
びやうちう
)
は、
其
(
そ
)
の
取乱
(
とりみだ
)
した
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
せるのを
可厭
(
いや
)
がつて、
見舞
(
みまひ
)
に
行
(
ゆ
)
くのを
断
(
ことは
)
られた
自分
(
じぶん
)
ではないか。——
此
(
これ
)
は
悪
(
わる
)
い。こんな
処
(
ところ
)
を。あゝ、
済
(
す
)
まない。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
十二月に
御嶽
(
おんたけ
)
の雪は消ゆる事もあれ
此念
(
このおもい
)
は
消
(
きえ
)
じ、アヽ
否
(
いや
)
なのは岩沼令嬢、恋しいは花漬売と
果
(
はて
)
は
取乱
(
とりみだ
)
して男の
述懐
(
じゅっかい
)
。
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
そこには
獣
(
けだもの
)
の様な男がいた。なまめかしく
取乱
(
とりみだ
)
した夫人の姿があった。それを思うと彼は肉体的な痛みを感じた。幾度家の中へ飛びこもうとしたか知れなかった。
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
と突きつけたのは、良い男の手代駒三郎と、これも良い女の妾のお房の、
取乱
(
とりみだ
)
した姿でした。
銭形平次捕物控:297 花見の留守
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そのやり口に腹を立てて、彼女は
取乱
(
とりみだ
)
した。今夜は眠れそうにないというので、彼は勧めた。
幻化
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
知
(
し
)
らぬことゝて
取乱
(
とりみだ
)
せし
姿
(
すがた
)
見
(
み
)
られしか、
見
(
み
)
られしに
相違
(
さうゐ
)
なしと、
面
(
かほ
)
俄
(
にわか
)
にあつくなりて、
夢現
(
ゆめうつゝ
)
うつむけば、
細
(
ほそ
)
く
清
(
きよ
)
しき
男
(
をとこ
)
の
聲
(
こゑ
)
に、これは
其方
(
そなた
)
さまのにや
返上
(
へんじやう
)
せんお
受取
(
うけとり
)
なされよと
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
屋内
(
おくない
)
はべつに
取乱
(
とりみだ
)
されず、
犯人
(
はんにん
)
が
何
(
なに
)
かを
物色
(
ぶっしょく
)
したという
形跡
(
けいせき
)
もないから、
盗賊
(
とうぞく
)
の
所為
(
しょい
)
ではないらしく、
従
(
したが
)
つて
殺人
(
さつじん
)
の
動機
(
どうき
)
は、
怨恨
(
えんこん
)
痴情
(
ちじょう
)
などだろうという
推定
(
すいてい
)
がついたが、さて
現場
(
げんば
)
では
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
それが気違いの様に
取乱
(
とりみだ
)
して、断末魔の踊りを踊っているのだ。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
取
常用漢字
小3
部首:⼜
8画
乱
常用漢字
小6
部首:⼄
7画
“取”で始まる語句
取
取出
取縋
取柄
取除
取次
取敢
取交
取做
取付