印象いんしやう)” の例文
それが學年がくねんはじまりだつたので、京都きやうとのまだあさ宗助そうすけには大分だいぶん便宜べんぎであつた。かれ安井やすゐ案内あんないあたらしい土地とち印象いんしやうさけごとんだ。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
二十七八の丈夫さうな男ですが、渡り中間のすれつからしなところがなくて、なか/\良い印象いんしやうを與へます。
全体ぜんたい綜合そうがふしたところで、わたしあたまのこつた印象いんしやうふのは——はじめての出会であひ小川町をがはちやうあたりの人込ひとごみのなかであつたらしく、をんなそで名刺めいしでも投込なげこんだのがそもそもの発端はじまりで、二度目どめおなとほりつたとき
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
午後の七時の印象いんしやうはかくてに入る。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
くは烟草たばこけむあきゆらつかせながら、ぶら/\あるいてゐるうちに、どこかとほくへつて、東京とうきやうところはこんなところだと印象いんしやうをはつきりあたまなかきざけて
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
けれどもかれあたまには其日そのひ印象いんしやうながのこつてゐた。うちかへつて、はひつて、燈火ともしびまへすわつたのちにも、折々をり/\いろいたひらたいとして、安井やすゐ御米およね姿すがた眼先めさきにちらついた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)