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加持祈祷
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かじきとう
ふりがな文庫
“
加持祈祷
(
かじきとう
)” の例文
「もっとも信心の衆は、
加持祈祷
(
かじきとう
)
をして貰ったと言っちゃ金を持って行く。が、鉄心道人はどうしても受取らねえ。
罰
(
ばち
)
の当った話で」
銭形平次捕物控:104 活き仏
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
アプタ(胆振国虻田郡虻田町)の酋長の妻が突然病んで、どんなに
加持祈祷
(
かじきとう
)
しても
験
(
げん
)
がなく、病気は重くなるばかりだった。
えぞおばけ列伝
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
その年夏のさかりに毎夜
丸
(
まる
)
の
内
(
うち
)
の
芝原
(
しばはら
)
へいろいろ異様な風をした人が集って来て、
加持祈祷
(
かじきとう
)
をするのを、市中の者がぞろぞろ見物に出かけた。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
たとえば
療法
(
りょうほう
)
にも
信仰
(
しんこう
)
だの
加持祈祷
(
かじきとう
)
だのを混合する。もちろん病気によってはいわゆる
気
(
き
)
の
病
(
やま
)
いもあるから、心の持ちようで
癒
(
なお
)
る病気もあろう。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
なんの前兆か、吉か凶かを、暦学、
占筮
(
せんぜい
)
の諸博士から、意見を徴して、例のごとく、
加持祈祷
(
かじきとう
)
に、奔命するのであった。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
薬餌
(
やくじ
)
、
呪
(
まじない
)
、
加持祈祷
(
かじきとう
)
と人の善いと言う程の事を
為尽
(
しつく
)
して見たが、さて
験
(
げん
)
も見えず、次第々々に頼み少なに成て、
遂
(
つい
)
に文三の事を言い
死
(
じに
)
にはかなく成てしまう。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
その行者というのは、頭の禿げた目尻の垂れた
口軽
(
くちがる
)
な、滑稽じみた男であったがたえず信者を集めて、
加持祈祷
(
かじきとう
)
をしていたので、今周蔵のいる家がその神様を祭った場所である。
黄色い晩
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
或は奥へ請ぜられて
加持祈祷
(
かじきとう
)
をし、日々僅かな
布施
(
ふせ
)
を得て
糊口
(
ここう
)
を
凌
(
しの
)
いでいたらしかったが、どうかすると、こんな工合にたった一人で河原や橋のあたりへ来てうろついていたり
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
寺にはあやしい
御符
(
ごふ
)
という
加持祈祷
(
かじきとう
)
をした砂があってよく信者がもらいにやって来た。
性に眼覚める頃
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
そうして、その幽霊を退散させるために何か
加持祈祷
(
かじきとう
)
のすべはあるまいかと相談した。
半七捕物帳:01 お文の魂
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
神の
祟
(
たたり
)
であろうかと
加持祈祷
(
かじきとう
)
に手を尽くしたが、それも一向
効顕
(
ききめ
)
がなく、怪異は相変わらず継続するので、主人の荘八はそれがために、いたく神経を悩まして
病臥
(
びょうが
)
する仕儀となった。
おばけの正体
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
医者では
不可
(
いか
)
ん、
加持祈祷
(
かじきとう
)
と、父親の方から
我
(
が
)
を折ってお札、お水、護摩となると、元々そういう容体ですから、少しずつ治まって、
痙攣
(
けいれん
)
も一日に二三度、それも大抵時刻が
極
(
きま
)
って
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
あらゆる
加持祈祷
(
かじきとう
)
を試み、わざわざ多賀の大社まで代参のものをやって病気全快を祈らせたことや、あるいは
金毘羅大権現
(
こんぴらだいごんげん
)
へ祈願のために
落合
(
おちあい
)
の大橋から
神酒
(
みき
)
一
樽
(
たる
)
を流させたことまで
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
近所
合壁
(
がっぺき
)
の騒ぎになり、人を雇ってまで捜した、むろんこの井戸へも見に来たろうが、どうしてもわからねえ、神隠しか人さらいか、占ってもらったり
加持祈祷
(
かじきとう
)
もやった、それでも行方がわからねえ
赤ひげ診療譚:07 おくめ殺し
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「
加持祈祷
(
かじきとう
)
がうまいそうじゃな」
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
国土の
患
(
わずら
)
いでも、一身の
乱
(
らん
)
でも、なにか大事にたちいたると、すぐ、
加持祈祷
(
かじきとう
)
へ頼むところは、わが
朝
(
ちょう
)
の藤原時代の権門とも、まったく同じ風習だった。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
又宮中に於いて尊意が
加持祈祷
(
かじきとう
)
している時、帝は夢に
不動明王
(
ふどうみょうおう
)
が火焔の中で声を
厲
(
はげ
)
まして
呪文
(
じゅもん
)
を唱えていると見給い、おん眼がさめて御覧になると、それは尊意の
読経
(
どきょう
)
の声であったと云う。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
どうぞまあそれだけでも
協
(
かな
)
えてやりたいと、
皆
(
みんな
)
が心配をしますんですが、
加持祈祷
(
かじきとう
)
と申しましても、どうして貴方ここいらは
皆
(
みんな
)
狸の法印、
章魚
(
たこ
)
の入道ばっかりで、
当
(
あて
)
になるものはありゃしませぬ。
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
加持祈祷
(
かじきとう
)
は、多く病気、災難ある場合にこれを行うことになっておる。
迷信解
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
きっと
癒
(
なお
)
してやるというので、
加持祈祷
(
かじきとう
)
に、夫婦も共に、精を打ちこんで、病児の恢復を祈っていたところ、病気は日ましに悪くなって、とうとう死んでしまった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(四)怪しげなる
加持祈祷
(
かじきとう
)
をなすものを信ぜぬこと。
迷信と宗教
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
あれも、
滑稽
(
こっけい
)
きわまる迷信だ。坊主に、鞭の
加持祈祷
(
かじきとう
)
をしてもらって、それで勝てると思って競馬へのぞむ騎者たちの気がしれない。……そういう
愚
(
ぐ
)
まいな者の眼をさましてやろうと思っていたが
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(四)怪しげなる
加持祈祷
(
かじきとう
)
をなすものを信ぜぬこと。
迷信解
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
と、云うのが大殿の棟に燃えつかんばかり聞えたが、二位殿の看護の真心や、
加持祈祷
(
かじきとう
)
の衆僧が、諸声あわせて唱うる
誦経
(
ずきょう
)
に、やがて夜明けと共に消え去った——とか紛々たる取沙汰なのである。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
加
常用漢字
小4
部首:⼒
5画
持
常用漢字
小3
部首:⼿
9画
祈
常用漢字
中学
部首:⽰
8画
祷
漢検準1級
部首:⽰
11画
“加持”で始まる語句
加持
加持力
加持水
加持土沙