使者ししゃ)” の例文
すると新羅しらぎ使者ししゃの中に日羅にちらというとうとぼうさんがおりましたが、きたないわらべたちの中に太子たいしのおいでになるのを目ざとく見付みつけて
夢殿 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「そうでした。頭のいやにでっかいやつの影でした。私は、地獄から、閻魔えんま使者ししゃとして大入道が迎えに来たのかと思いました」
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
で、三浦家みうらけではいつも社殿しゃでん修理しゅうりそのこころをくばり、またまつりでももよおされる場合ばあいには、かなら使者ししゃてて幣帛へいはくささげました。
諭吉ゆきち中心ちゅうしんとなって、くすりにかけあう手紙てがみをかき、使者ししゃにいくのはだれ、おどかすのはだれ、と、それぞれのやくをきめて、かけあいにいきました。
徳川家とくがわけ使者ししゃについてきたさむらい横顔よこがおをさしのぞくのも無礼ぶれいであるし、疑念ぎねんのあるものをやすやすと、主君の前へ近づけるのはなおのこと不安ふあんなはなし。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
主翁は今一応先刻の御話をと云うた。似而非えせ使者ししゃは、試験さるゝ学生の如く、真赤な嘘を真顔で繰り返えした。母者人は顔の筋一つ動かさず聴いて居た。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
時宜じぎによればすぐにも使者ししゃをやって、よく聞きただしてみてもいいから、今夜一ばんは不自由でもあろうが役場に宿とまってくれとのことであった。教員室には、教員が出たりはいったりしていた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
何某なにがし御子息ごしそく何屋なにや若旦那わかだんなと、水茶屋みずちゃやむすめには、勿体もったいないくらいの縁談えんだんも、これまでに五つや十ではなく、なかには用人ようにん使者ししゃてての、れッきとしたお旗本はたもとからの申込もうしこみも二三はかぞえられたが
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
と、龍太郎りゅうたろうもうなずいて、他の者の同意どういをたしかめたうえ、けつぜんと、徳川がたの使者ししゃにこたえた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その使者ししゃたちが旅館りょかんとまっている様子ようすようとおおもいになって、太子たいしはわざと貧乏人びんぼうにん子供こどものようなぼろぼろなお姿すがたで、まち子供こどもたちの中に交じってお行きになりました。
夢殿 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
それで見ると少年は、まだほんの十三、四さい、それでいて礼儀れいぎことばはまことに正しく、かみしもにみじかいかたなを二本しているすがたは、ゆめの国からきた使者ししゃのようである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
月 日鹿島かしま使者ししゃ孤剣こけん飄客ひょうかく
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鹿島かしま使者ししゃ孤剣こけん飄客ひょうかく
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
芍薬しゃくやく使者ししゃ
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)