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余儀
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よぎ
ふりがな文庫
“
余儀
(
よぎ
)” の例文
旧字:
餘儀
一方、個人雑誌「新風土」も、そのために自然
廃刊
(
はいかん
)
の
余儀
(
よぎ
)
なきにいたり、何もかもが当分休止という状態になってしまったのである。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
飛騨は名に負う山国であるから、山又山の奥深く逃げ
籠
(
こも
)
った以上は、容易に
狩出
(
かりだ
)
すことも
能
(
でき
)
ないので、
余儀
(
よぎ
)
なく
其儘
(
そのまま
)
に
捨置
(
すてお
)
いた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
横里某の出現によって、苗子の心から雲の如く霧の如く吹き飛ばされてしまったことは、誠に
余儀
(
よぎ
)
ない事であったと申すの外はありません。
奇談クラブ〔戦後版〕:14 第四次元の恋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ああ! どうぞ
勘弁
(
かんべん
)
して
下
(
くだ
)
さい!」と
男
(
おとこ
)
が
答
(
こた
)
えた。「
好
(
す
)
き
好
(
この
)
んで
致
(
いた
)
した
訳
(
わけ
)
ではございません。
全
(
まった
)
くせっぱつまって
余儀
(
よぎ
)
なく
致
(
いた
)
しましたのです。 ...
ラプンツェル
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
その上、まぐろが熱し過ぎるというのは
野暮
(
やぼ
)
である。まぐろの
生
(
なま
)
っ
気
(
け
)
を好まない人は
余儀
(
よぎ
)
ないことであるが、前者のやり方の茶漬けに越したことはない。
鮪の茶漬け
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
▼ もっと見る
ようやくに
氷錨
(
アイス・アンカー
)
を解いて、西南西の方向に約十二マイルほど進むことが出来たが、またもや一大浮氷に妨げられて、そこに
余儀
(
よぎ
)
なく停船することとなった。
世界怪談名作集:09 北極星号の船長 医学生ジョン・マリスターレーの奇異なる日記よりの抜萃
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
「ちやつとお
拭
(
ふ
)
きなされませい。」此がために、紫玉は手を掛けた
懐紙
(
ふところがみ
)
を、
余儀
(
よぎ
)
なく
一寸
(
ちょっと
)
逡巡
(
ためら
)
つた。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
愛惜
(
あいせき
)
の気持ちが復一の胸に
沁
(
し
)
み渡ると、散りかかって来る花びらをせき留めるような
余儀
(
よぎ
)
ない
焦立
(
いらだ
)
ちと
労
(
いたわ
)
りで真佐子をかたく
抱
(
だ
)
きしめたい心がむらむらと湧き上るのだったが……。
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
その前に岩国の
錦帯橋
(
きんたいばし
)
も
余儀
(
よぎ
)
なく見物して、夫れから宮島を出て讃岐の
金比羅
(
こんぴら
)
様だ。
多度津
(
たどつ
)
に船が着て金比羅まで三里と云う。行きたくないことはないが、金がないから行かれない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
是
(
ここ
)
において我が正義党は国民の名により、世界正義の名により、閣下に対し天誅を加うるの
余儀
(
よぎ
)
なきに至りたることを遺憾とす。既に我が党は中央執行委員会にてこのことを議決せり。
鉄の規律
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
通抜
(
とほりぬけ
)
無用の札を
路次口
(
ろじぐち
)
へ
貼
(
は
)
つて置くのは、
通抜
(
とほりぬけ
)
らるゝ事を
表示
(
へうし
)
するやうなものだと言つた人があるが僕も
先刻
(
せんこく
)
余儀
(
よぎ
)
なき用事で
或抜裏
(
あるぬけうら
)
へ
一足
(
ひとあし
)
這入
(
はい
)
るとすぐに
妙
(
めう
)
なる二つの声を聞いた
亭主
(
ていし
)
曰
(
いわ
)
く
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
別に職人を嫌ってでもないのにまるで前世からの約束事ででもあるように父親甚作の仕事を継いでしまったことは
余儀
(
よぎ
)
ない回り合せとはいえ、かやにとっては不思議な運命とより思えなかった。
暦
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
『内蔵助の申し条、臣として、
余儀
(
よぎ
)
ないことに思われる』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今は
余儀
(
よぎ
)
なく
真近
(
まぢか
)
のひとりを血祭りにあげた。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
転業
(
てんぎょう
)
を
余儀
(
よぎ
)
なくされたのでした。
心の芽
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
さきにハノーヴァ王家の好意に
反
(
そむ
)
いたヘンデルが、宮廷から遠ざけられたのもまた
余儀
(
よぎ
)
ないことである。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
しかし、いっそうわるいのは、ああした打ちかたを
余儀
(
よぎ
)
なくさせた君らの態度だ。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
毎日
(
まいにち
)
/\あまりしつこかつたもんだから、とう/\
余儀
(
よぎ
)
なさゝうなお
顔色
(
かほつき
)
で
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
凡
(
およ
)
そ維新前、文久二、三年から維新後、明治六、七年の頃まで、十二、三年の間が最も物騒な世の中で、この間私は東京に居て夜分は決して外出せず、
余儀
(
よぎ
)
なく旅行するときは姓名を
偽
(
いつわ
)
り
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
その間宗太郎は外に
立
(
たっ
)
て居たが、十二時になっても寝そうにもしない、一時になっても寝そうにもしない、
何時
(
いつ
)
までも二人差向いで飲んで話をして居るので、
余儀
(
よぎ
)
なくお
罷
(
や
)
めになったと云う。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
“余儀”の意味
《名詞》
ほかのことや方法。
(出典:Wiktionary)
余
常用漢字
小5
部首:⼈
7画
儀
常用漢字
中学
部首:⼈
15画
“余儀”で始まる語句
余儀所