ぐれえ)” の例文
近頃ちかごろ唐鍬たうぐは使つけほねおれつからつて仕事しごとしまつちや一がふぐれえけてつちやあんだつちけが、それ今日けふはやくからてたんだつちきや
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
森「なぜ此のくれえな顔を持っていて、穢ない姿なりをしているでしょう、二つきしばりぐれえめかけにでも出たらばさそうなものですなア」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
路頭に迷わせるようなこたァしねえ。——喰ってくぐれえのかしきはどんなことをしたってつけてくれる。——いまゝでのようにたゞいう目の出なくなるばかりだ。
春泥 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
らそれから五百匁ひやくめぐれえ軍鷄雜種しやもおとしくゝつて一ぺんつちまつたな、さうしたらねつた」かれにはかこゑひくくしたが、さら以前いぜんかへつて
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
其の代りにゃアこゝな家は忙がしくて、庭のうちを一日に十里ぐれえの道は歩くから、夜は草臥れて顛倒ぶっくりけえってしまうのサ、それから見ると熊ヶの女共はやあらけえ着物を着ていて楽な代りに
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「さうだよ、まつせえよおめえ、めでゝえさけだから、威勢えせえつければおめえ身體からだ工合ぐえゝだつてちつとぐれえならなほつちやあよ」ばあさんまたすゝめた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
此の頃じゃアハア手紙の一本ぐれえ書ける様になったのアめえの旦那の御厄介ごやっけえでがんすから、おうちがこうなって遠いとけえ行くてえこったらわしも附いて行かないばなんねえが、婆様ばあさまア塩梅あんべいが悪うござえまして
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)