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仰様
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のけざま
ふりがな文庫
“
仰様
(
のけざま
)” の例文
旧字:
仰樣
と両手に襟を押開けて、
仰様
(
のけざま
)
に
咽喉仏
(
のどぼとけ
)
を示したるを、謙三郎はまたたきもせで、ややしばらく
瞶
(
みつ
)
めたるが、銃剣
一閃
(
いっせん
)
し、
暗
(
やみ
)
を切って
琵琶伝
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と満枝の手首に
縋
(
すが
)
れるまま、一心不乱の力を
極
(
きは
)
めて
捩伏
(
ねぢふ
)
せ
捩伏
(
ねぢふ
)
せ、
仰様
(
のけざま
)
に
推重
(
おしかさな
)
りて
仆
(
たふ
)
したり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
と言いながらお村を抱き起そうとする時、
後
(
うしろ
)
から飛下りながら文治郎がプツリッと拝み討ちに斬りますと、脳をかすり耳を
斬落
(
きりおと
)
し、肩へ深く斬り込みましたから、あっと
仰様
(
のけざま
)
に安兵衞が倒れました。
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
声に応じて牛頭馬頭は光子を
仰様
(
のけざま
)
に引倒し、一人が両手、一人が両足、取って押えて動かさず。「ああれ。」光子は虫の声。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
猛獣
犠牲
(
いけにえ
)
を
獲
(
え
)
て直ぐには殺さず
暫時
(
しばらく
)
これを
弄
(
もてあそ
)
びて、早
慊
(
あきた
)
りけむ得三は、下枝をはたと蹴返せば、
苦
(
あっ
)
と
仰様
(
のけざま
)
に
僵
(
たお
)
れつつ
呼吸
(
いき
)
も絶ゆげに
唸
(
うめ
)
きいたり。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
「秀、秀、私が悪かった。ああああ、苦しい。
堪
(
たま
)
らない、あれッ、あれッ。」と
跳
(
おど
)
り上りて室内を狂奔せるが、あたかも空中にものありて綾子を
掴
(
つか
)
みて投げたるごとく、
仰様
(
のけざま
)
に打倒れぬ。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
向うに
仰様
(
のけざま
)
に寝て、
両肱
(
りょうひじ
)
を空に、後脳を
引掴
(
ひッつか
)
むようにして椅子にかかっていたのは、数学の先生で。看護婦のような服装で、ちょうど声高に笑った
婦
(
おんな
)
は、言わずとも、体操の師匠である。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
赤蛙
(
あかがえる
)
が化けたわ、化けたわと、
親仁
(
おやじ
)
が
呵々
(
からから
)
と笑ったですが、もう耳も聞えず
真暗三宝
(
まっくらさんぼう
)
。何か
黒山
(
くろやま
)
のような物に
打付
(
ぶッつ
)
かって、
斛斗
(
もんどり
)
を打って
仰様
(
のけざま
)
に転ぶと、滝のような雨の中に、ひひんと馬の
嘶
(
いなな
)
く声。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と見れば美人は
仰様
(
のけざま
)
に
転
(
まろ
)
び、緑髪は砂に
塗
(
まみ
)
れて白き
踵
(
かかと
)
は天に朝せり。
金時計
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
思
(
おも
)
はず
突立
(
つゝた
)
つと、
出来
(
でき
)
かゝつた
像
(
ざう
)
を
覗
(
のぞ
)
いて、
角
(
つの
)
を
扁平
(
ひらた
)
くしたやうな
小鼻
(
こばな
)
を、ひいくひいく、……ふツふツはツはツと
息
(
いき
)
を
吹
(
ふ
)
いて
居
(
ゐ
)
たのが、
尖
(
とが
)
つた
口
(
くち
)
を
仰様
(
のけざま
)
に
一
(
ひと
)
つぶるツと
振
(
ふる
)
ふと、
面
(
めん
)
を
倒
(
さかさま
)
にしたと
思
(
おも
)
へ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
画工 (疲果てたる
状
(
さま
)
、
摚
(
どう
)
と
仰様
(
のけざま
)
に倒る)水だ、水をくれい。
紅玉
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
画工 (
疲果
(
つかれは
)
てたる
状
(
さま
)
、
摚
(
どう
)
と
仰様
(
のけざま
)
に倒る)水だ、水をくれい。
紅玉
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
仰
常用漢字
中学
部首:⼈
6画
様
常用漢字
小3
部首:⽊
14画
“仰”で始まる語句
仰
仰向
仰有
仰山
仰言
仰天
仰臥
仰々
仰付
仰反