什麽どんな)” の例文
内儀かみさんは什麽どんなにしてもすくつてりたいとおもしたら其處そこ障害しやうがいおこればかへつてそれをやぶらうと種々しゆじゆ工夫くふうこらしてるのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
お花姉さんのには什麽どんなことが書いてあるか知ら、一つお手本を拝見してやろうとい所に気がついて、乃公はこっそりと姉さんのへやへ上って行った。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
昨宵ゆうべもね、母が僕にさう云ふんだ。君が楠野さん所へ行つた後にだね、「肇さんももう廿三と云へや子供でもあるまいに姉さんが什麽どんなに心配してるんだか、眞實ほんたうに困つちまふ」
漂泊 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
士行氏は二者ふたつとも気に入らなかつた。国子さんには什麽どんなに言つたか知らないが、フロツクコートを見た時には、急に歯痛はいたでも起きたやうに、泣き出しさうな顔をして頼んだ。
世の中の人が類を持つて集まるやうに、自分は不具者の中にのみいたはられて、むつましく暮さなけりやならないといふのは堪へられないことだ。そしてそれが什麽どんなみじめで悲しいことだらう。
三十三の死 (旧字旧仮名) / 素木しづ(著)
そして斯う事が面倒になっては又什麽どんなに遇わされるかも知れないと思って、手早く振切ふりもぎって、一目散に自分のへやに逃込んだ。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
彼等かれら勞働らうどうから空腹くうふく意識いしきするとき一寸いつすんうごくことの出來できないほどにはか疲勞ひらうかんずることさへある。什麽どんな麁末そまつものでも彼等かれらくちには問題もんだいではない。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
昨宵ゆうべもね、母が僕にさう云ふんだ。君が楠野さんとこへ行ツた後にだね、「肇さんももう二十三と云へや小供でもあるまいに姉さんが什麽どんなに心配してるんだか、真実ほんたうに困ツちまふ」
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
よしんば什麽どんな冒険好きな女でも、チヨコレエトの代りに男に惚れるやうな心得違こゝろえちがひはしない筈だ。女といふものは、十人が十人、先づチヨコレエトをべて、それから徐々そろ/\男に惚れるものなのだ。
半面の真理ってのは什麽どんなものかと訊いたら、う一々訊くものじゃないと言った。兎に角奥さんは拉典ラテンもなかなか達者で校長さんよりも豪いそうだ。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
勘次かんじはおしなつただけはおつぎを使つかつてどうにか從來これまでつくつた土地とち始末しまつをつけようとおもつた。ことすぐうしろなので什麽どんなにしても手放てばなすまいとした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)