二晩ふたばん)” の例文
それはさてき、みことはそのさい二晩ふたばんほどおとまりになって、そのままおかえりになられましたが、やがてみかどのお裁可ゆるしあおぎてふたた安芸あきくににおくだあそばされ
れは誠に珍らしい原書で御在ございますが、何時いつまで此処ここに拝借して居ることが出来ましょうかと云うと、「左様さようさ。いずれ黒田侯は二晩ふたばんとやら大阪に泊ると云う。 ...
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
わざ/\電報を掛けて迄逢ひたがる妹なら、日曜の一晩ひとばん二晩ふたばんつぶしたつて惜しくはない筈である。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
車夫しゃふはがら/\引いてまいりますと、積んで来た荷の中の死骸が腐ったも道理、小春なぎのあたゝかい時分に二晩ふたばんめ、又うちかえって寒くなり、雨に当り、いきれましたゆえ、臭気はなはだしく
それつゝかけに夜昼よるひるかけて此処こゝまでたなら、まだ/\仕事しごと手前てまへやまにもみづにも言訳いひわけがあるのに……彼方あつち二晩ふたばん此方こつち三晩みばんとまとまりの道草みちくさで、——はなにはくれなゐつきにはしろく、処々ところ/″\温泉をんせん
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
二晩ふたばんおきに
悲しき玩具 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
それじゃア二晩ふたばん来たのは幽霊だッたかと思うと、ぞっと身の毛がよだつ程怖くなった
蘇士スエズから上陸して蒸気車に乗て、埃及エジプトのカイロ府につい二晩ふたばんばかり泊り、それから地中海に出て、其処そこから又船に乗て仏蘭西フランス馬塞耳マルセイユ、ソコデ蒸汽車に乗て里昂リオンに一泊、巴里パリに着て滞在およそ二十日
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
さあ、此処ここからが目差めざ御山おやまというまでに、辻堂つじどう二晩ふたばん寝ました。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)