丸顔まるがお)” の例文
旧字:丸顏
少なくも記録に拠所よりどころがなく、顔などは面長おもながであったか、丸顔まるがおか、また肥えていたか、せていたか、そういうことが一切分らんのでした。
なにか仕事しごとがあって、一人ひとりおくれたのか、普通ふつうむすめさんのようなふうをした丸顔まるがお少女しょうじょが、よこぐちから、たのでありました。正吉しょうきちは、その少女しょうじょめた。
世の中へ出る子供たち (新字新仮名) / 小川未明(著)
打見うちみところ年齢とし二十歳余はたちあまり、かお丸顔まるがおほうで、緻致きりょうはさしてよいともわれませぬが、何所どことなく品位ひんいそなわり、ゆきなす富士額ふしびたいにくっきりとまゆずみえがかれてります。
火はときどき思いだしたように、パチパチとえてはすぐえてしまう。のくさみを持ったけむりはいよいよ立ちまようのである。源四郎は二十二、三の色黒いろぐろ丸顔まるがおな男だ。
告げ人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
ひくくて、丸顔まるがおでした。しろ仕事服しごとふくて、おきゃくあたまっていましたが、それがわったとみえて、二人ふたりあそんでいるへやへしおせんべいのぼんと、おちゃのはいったびんとってきて
すいれんは咲いたが (新字新仮名) / 小川未明(著)
それにその表情ひょうじょうものごしがいかにも不思議ふしぎ……先方せんぽう丸顔まるがおわたくし細面ほそおもて先方せんぽう小柄こがらわたくし大柄おおがら外形がいけいはさまで共通きょうつう個所かしょがないにもかかわらず、何所どこともれず二人ふたりあいだ大変たいへんたところがあるのです。