“ていてい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
亭々60.0%
廷丁16.7%
亭亭10.0%
艇底3.3%
定鼎3.3%
打々3.3%
邸第3.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
近所にも松の木がないわけではないが、しかし皆小さい庭木で、松籟しょうらいさわやかな響きを伝えるような亭々ていていたる大樹は、まずないと言ってよい。
松風の音 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
私の姿を見ると、廷丁ていていは私のために被告席を用意し始めた。その間私は、かむっていた深編笠ふかあみがさを手に、部屋の入口のところに黙って立っていなければならなかった。
亭亭ていてい大毛槍だいけやりを立てた如くに直立し又はなゝめに交錯して十丈以上の高さに達して居る椰子やし林を颯爽さつさうたる驟雨しううに車窓を打たれながら、五台の馬車が赤い土の水けむりを馬蹄の音高く蹴立てて縦断するのは
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
先刻せんこくたきのやうに降注ふりそゝいだ雨水あめみづは、艇底ていてい一面いちめんたまつてる、隨分ずいぶん生温なまぬるい、いやあぢだが、其樣事そんなことは云つてられぬ。兩手りようてすくつて、うしのやうにんだ。
いまこの新奇しんきなる海底戰鬪艇かいていせんとうていは、艇底ていていまうけられたる自動浮沈機じどうふちんき作用さようで、海底かいてい三十フヒート乃至ないし五十フヒートまでふかさにしづことべく、空氣くうきは、普通ふつう氣蓄器きちくきまた空氣壓搾喞筒等くうきあつさくぽんぷとうことなく
今人をののしるの危険なることは趙甌北てうおうほくの「簷曝雑記えんばくざつき」にその好例ありと言ふべし。南昌の人に李太虚りたいきよと言ふものあり。明の崇禎そうてい中に列卿れつけいる。国変に死せず。李自成りじせいくだり、清朝定鼎ていていの後、脱し帰る。
八宝飯 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
剣は、打々ていていと、錚々しょうしょうと、きつきつと、あるいはむせぶがごとく、あるいは訴うるがごとく、あるいは放笑するがごとく、あるいは流るるがごとく、立派に、弾奏の役目をつとめているのである。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
余童子のとき匠人金次といふもの長府侯江戸の邸第ていてい補修のとき長府二の宮舞台のはふのごとくなれと好のよし語れり。今目のあたり見ることを
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)