“きんこう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
均衡26.3%
金公10.5%
欣幸10.5%
金甲7.9%
近郊7.9%
金光7.9%
金鉱5.3%
欽仰5.3%
金坑5.3%
勤功2.6%
勤行2.6%
謹厚2.6%
錦江2.6%
錦甲2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
均衡きんこうを失った身体は止めどもなく辷り落ちる。アア、もう駄目だ。群集の多くは、思わず目をとじた、顔をそむけた。
黄金仮面 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「御尊名と来た! おどろき桃の木——あっしあ、根岸の植留の若えもンで、金公きんこうてえ半チク野郎で、へえ」
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
三今尚古風を標榜して居らる禅僧に対する欣幸きんこうの念、この二つの正反対の感じが、わしら俗人どもの胸に往来するのは、単に保守主義に対する審美感より出るのではないかも知れぬ。
僧堂教育論 (新字新仮名) / 鈴木大拙(著)
しかし麾下きかの軍団は、幾段、幾十隊か数も知れない。そしてそれぞれ金甲きんこう鉄鎗てっそう燦然さんぜんたる部将のもとにたてをならべ——ござんなれ烏合うごうの賊——と弩弓どきゅうまんして待ちかまえていた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
近郊きんこうからも、ぞくぞくと、この大奇蹟の汽船を見ようと見物人が集まってきた。
海底大陸 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そして、花のような女のその中にいることを想像してその内へ入った。内にはおけの胴のような大きな白い蛇がとぐろをいていた。その蛇は両眼は灯盞かわらけのように大きくて金光きんこうを放って輝いていた。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
(こいつあ水車じゃありませんや。前じきそこにあったんですが掛手かけて金山の精錬所せいれんじょでさ。)(ああ、金鉱きんこうくあいつですね。)(ええ、そう、そう、水車って云えば水車でさあ。ただあわひえを ...
十六日 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
船中の者も、この勇者を欽仰きんこうすることは一方ひとかたではありません。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
四四 六角牛の峯続きにて、橋野はしのという村の上なる山に金坑きんこうあり。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
大切に勤めし故主人の氣にかなひ店の支配しはいをも任せられ私し儀も安堵あんど致し居候に昨年不慮ふりよの儀にて永のいとまに相成廿餘年の勤功きんこう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
も殘らずをさめよと言渡されて仰天ぎやうてんなし本金とは何事ぞ如何に不埓ふらちが有ればとて廿餘年の勤功きんこうにて既に支配もまかされたる此久八を丁稚でつち小僧か何ぞの樣に打擲ちやうちやくさるゝのみならずと思へど久八を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そのうえ、犯人に対してもつとめてキリスト教的な交わりを絶やさぬようにして、教会の勤行きんこうにも聖餐せいさんにも参列させるし、施物も分けてやる。
篤実とくじつ謹厚きんこうと見えたが、その裏には、邪智じゃち佞才ねいさいもあった。上下に気うけがよかったが一面には自分へ追従軽薄をなすものを歓ぶふうもあった。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
路に錦江きんこうの嶮をひかえ、地勢は剣閣けんかく万峰ばんぽうに囲まれ、周囲二百八程、縦横三万余里、鶏鳴けいめい狗吠くはい白日も聞え、市井点綴しせいてんてつ、土はよく肥え、地は茂り、水旱すいかんの心配は少なく、国富み、民栄え、家に管絃あり
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
このところ髀肉ひにくたんにたえないのは張飛であった。常に錦甲きんこうを身に飾って、玄徳や孔明のそばに立ち、お行儀のよい並び大名としているには適しない彼であった。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)