金光きんこう)” の例文
孟宗もうそうの根竹に梅花を彫った筆筒ふでづつの中に乱れさす長い孔雀くじゃくの尾は行燈あんどう火影ほかげ金光きんこう燦爛さんらんとして眼を射るばかり。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
そして、花のような女のその中にいることを想像してその内へ入った。内にはおけの胴のような大きな白い蛇がとぐろをいていた。その蛇は両眼は灯盞かわらけのように大きくて金光きんこうを放って輝いていた。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
地平線の上にかいなを長くさしのべなば、われはもゆるかの土と紅色くれない石榴ざくろとに触れもやせん。金光きんこう燦爛さんらんたる国土かな。鳥飛ばず、曇りもえせず、色もあせざる空の下。