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餌
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ゑさ
ふりがな文庫
“
餌
(
ゑさ
)” の例文
折角
築
(
きづ
)
き上げた大身代を、
甥
(
をひ
)
や養女や、赤の他人に、
熊鷹
(
くまたか
)
に
餌
(
ゑさ
)
を
奪
(
うば
)
はれるやうに滅茶々々にされて了ふのが心外でたまらなかつたのです。
銭形平次捕物控:020 朱塗りの筐
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
いや、事によつたらどこかの
図書館
(
としよかん
)
にたつた一冊残つた儘、無残な
紙魚
(
しぎよ
)
の
餌
(
ゑさ
)
となつて、
文字
(
もじ
)
さへ読めないやうに破れ果ててゐるかも知れない。しかし——
澄江堂雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
其
(
それ
)
は
皆
(
みんな
)
お
前
(
まへ
)
がさう
思
(
おも
)
ふからで、あの、
雀
(
すゞめ
)
だつて
餌
(
ゑさ
)
を
与
(
や
)
つて、
拾
(
ひろ
)
つてるのを
見
(
み
)
て、
嬉
(
うれ
)
しさうだと
思
(
おも
)
へば
嬉
(
うれ
)
しさうだし、
頬白
(
ほゝじろ
)
がおぢさんにさゝれた
時
(
とき
)
悲
(
かな
)
しい
声
(
こゑ
)
だと
思
(
おも
)
つて
見
(
み
)
れば
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
何時も醜い恐ろしい口は大抵堅く
鎖
(
とざ
)
されてゐる。釣などする時には、年少者のやうに、いろいろの事を富之助に教はつて、釣に
餌
(
ゑさ
)
をつけ、絲を水に投げる。そしてぼんやり考へ込む。
少年の死
(旧字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
ある日
近侍
(
きんじ
)
の小姓が
餌
(
ゑさ
)
を呉れようとする時、隙を
覗
(
ねら
)
つて鸚哥は籠の外へ飛び出した。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
そなたこそ人を釣る
好
(
よ
)
い
香
(
にほひ
)
の
餌
(
ゑさ
)
だ
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
そんな話が、意地の惡いことにあつしの耳へ入るぢやありませんか。遺言状を
餌
(
ゑさ
)
にして、あの色娘が何をやり出すかわかつたものぢやない
銭形平次捕物控:287 血塗られた祝言
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
然
(
さ
)
やうなものが
鯨
(
くぢら
)
の
餌
(
ゑさ
)
にありますか、と
遣
(
や
)
りかねない
勢
(
いきほひ
)
で。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
わたしの
釣鈎
(
つりばり
)
に
餌
(
ゑさ
)
は
要
(
い
)
らない
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
餌
(
ゑさ
)
をたづねに來たのやら。
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
解つたのはそれ丈け、其邊中を搜して見ると、小判が一枚小粒が二つ三つ落散つてゐましたが、それが多分三次の命を奪つた
餌
(
ゑさ
)
の殘りでせう。
銭形平次捕物控:065 結納の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
餌
(
ゑさ
)
が無いのでじいつと
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
その時、これも口惜し
紛
(
まぎ
)
れに遺言状を握つて行つたが、後でそれが彌八をおびき寄せる
餌
(
ゑさ
)
になつた。お富に取つては、彌八も憎いがお糸も憎い。
銭形平次捕物控:287 血塗られた祝言
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
きめてお前の話の相手になつてやらう。華魁の話でも
蔭間
(
かげま
)
の話でも、夜が明けるまで續けてくれ。明神下の藪つ蚊は飛んだ
餌
(
ゑさ
)
にあり付いて、大喜びだとよ
銭形平次捕物控:280 華魁崩れ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
自分もまだ朝の
餌
(
ゑさ
)
にもありつかない癖に、さう言つた親分の心意氣が嬉しくてたまらない八五郎です。
銭形平次捕物控:238 恋患ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
餌
(
ゑさ
)
が良いんですよ、親分。あつしに逃げられちや大變といふので、朝つから岡持が入る景氣で」
銭形平次捕物控:281 用心棒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それも
埒
(
らち
)
が明かないと見て、近頃は
毒矢
(
どくや
)
を飛ばしたり、娘お小夜の美色を
餌
(
ゑさ
)
に、毒湯をすゝめて一擧に
怨
(
うらみ
)
を報じようとしましたが、奉行の朝倉
石見守
(
いはみのかみ
)
が老中に進言して
銭形平次捕物控:001 金色の処女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「エライ、圖星ですよ、親分。新造も年増も、お天氣も鰻の匂ひも皆んな親分を誘ひ出す
餌
(
ゑさ
)
だ」
銭形平次捕物控:251 槍と焔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「千里の虎も大分増長したやうだ、そのうちに自分から進んで
餌
(
ゑさ
)
に付くよ、放つて置くが宜い」
銭形平次捕物控:042 庚申横町
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
不老長壽の藥は、
秦
(
しん
)
の
始皇
(
しくわう
)
以來の、馬鹿を釣るための
餌
(
ゑさ
)
で、それを賣出して、二三年の間に巨萬の富を積んだ百壽園壽齋は、この上もない利口な釣師だつたに違ひありません。
銭形平次捕物控:322 死の秘薬
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「誰かが、わざと寶搜しの中へ小判を投げ込んで、次の
催
(
もよほ
)
しの
餌
(
ゑさ
)
にしたとは思はないか」
銭形平次捕物控:301 宝掘りの夜
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
飛んで、忍び返しに引つ掛るわけはねえ。それに江島屋には、
揚羽
(
あげは
)
のお艶といふ、若い男をフラフラにさせる、結構な
餌
(
ゑさ
)
がゐるんだ。戀患ひの講中を、片つ端から洗つて見るが宜い
銭形平次捕物控:238 恋患ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
あれは、
餌
(
ゑさ
)
をやつて居る白鼠は、夜になると腹ごなしに車を廻す、根氣の良い
生物
(
いきもの
)
だ。
銭形平次捕物控:015 怪伝白い鼠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
年々美しくなる燕女は、一緒に住んでゐる權八には、たまらない
餌
(
ゑさ
)
だつたに違ひない。
銭形平次捕物控:210 飛ぶ女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「あれ、今度は泣き落しと來たのか。金儲けが
餌
(
ゑさ
)
ぢや俺は不精になるばかりだが、八に泣かれちや、そつぽを向いて居るわけにも行くまい、——一體どこの國にでつかい金山があるんだ」
銭形平次捕物控:249 富士見の塔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
十三屋
(
とみや
)
へ乘込んでお
曾與
(
そよ
)
の死體を見せて貰つたが——親分、良い心持のものぢやないね、あの
娘
(
こ
)
が達者なときはたまにからかつても見たが、駒次郎といふ大きな
餌
(
ゑさ
)
に喰ひ付いてゐるせゐか
銭形平次捕物控:097 許婚の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
母娘二人の世帶などは、全く銀之助に取つては申分ない
餌
(
ゑさ
)
だつたことでせう。
銭形平次捕物控:266 処女神聖
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
この事件ばかりは、ガラツ八も繪解きをして貰ふ世話がありませんが、平次は
餌
(
ゑさ
)
を
獲
(
と
)
り損ねた
鷹
(
たか
)
のやうな自尊心で、拔け荷の一味を縛つた大手柄を人に褒められるのをひどく嫌つて居りました。
銭形平次捕物控:043 和蘭カルタ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
脅かしかも分らないが、幸ひ三百兩の
餌
(
ゑさ
)
があるから、用人の禿頭を前にして、奧まで響くやうに、精一杯の大聲で立て讀み一席やりましたよ。あれだけ張り上げれば、大川の向うへだつて聞えまさア。
銭形平次捕物控:211 遠眼鏡の殿様
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「怒るな、八、斯う
餌
(
ゑさ
)
に付いて來れば占めたものだ」
銭形平次捕物控:042 庚申横町
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“餌”の解説
餌(えさ、え、じ)は、動物を飼育や捕獲するための食物。ベイト(en: Bait)とも呼ぶ。
動物が自らの糧として獲得する食料をいうこともあるが、この語義は掲載しない国語辞典もあり、「餌生物」や「餌資源」といった表現は「食物資源」や「採食資源」とすべきという指摘もある。
(出典:Wikipedia)
餌
常用漢字
中学
部首:⾷
15画
“餌”を含む語句
餌食
食餌
餌取
餌箱
香餌
薬餌
餌差
餌差町
餌付
餌桶
餌料
餌猪口
練餌
餌袋
好餌
餌物
摺餌
生餌
餌壺
餌取小路
...