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ぶらんこ
ふりがな文庫
“
鞦韆
(
ぶらんこ
)” の例文
芝生の綺麗な傾斜に添って、白い砂利道を行くと、噴水のある滝の前に赤いポストがあり、
鞦韆
(
ぶらんこ
)
に外国の子供が乗かってゐました。
絵にそへて
(新字旧仮名)
/
原民喜
(著)
鞦韆
(
ぶらんこ
)
に四、五人子供が集まって騒いでいる。ふり返って見ると動物園の門に田舎者らしい老人と小僧と見えるのが立って掛札を見ている。
根岸庵を訪う記
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
天井からは幾つかの
鞦韆
(
ぶらんこ
)
がブラ下がり、
衝立
(
ついたて
)
、小机、竹馬、大小の箱、
鞭
(
むち
)
、それに何に使うか見当も付かないものが舞台裏一パイに並べてあり
銭形平次捕物控:118 吹矢の紅
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
道路から二段目のほかほかした日あたりに、足を
鞦韆
(
ぶらんこ
)
のように下げている弟のそばへ行き、そして肩の上に手を置いた。
童話
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
が、
鞦韆
(
ぶらんこ
)
に乗って、瓢箪ぶっくりこ、なぞは何でもない。時とすると、塀の上に、いま
睦
(
むつま
)
じく二羽
啄
(
ついば
)
んでいたと思う。その一羽が、
忽然
(
こつねん
)
として姿を隠す。
二、三羽――十二、三羽
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
自動車にも乗ろう。園遊会にも行こう。
浪花節
(
なにわぶし
)
も聞こう。女優の
鞦韆
(
ぶらんこ
)
も下からのぞこう。
沙翁劇
(
さおうげき
)
も見よう。洋楽入りの
長唄
(
ながうた
)
も聞こう。頼まれれば小説も書こう。
妾宅
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
では
鞦韆
(
ぶらんこ
)
の索を投げましょうか、あすこに大きな樹があるから、それを結えましょうか、牆からあの樹を
断橋奇聞
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
プラウツスの書いた
鞦韆
(
ぶらんこ
)
はエトアール
凱旋門
(
がいせんもん
)
の気球の下に現われている。アプレイウスが出会ったペシルの剣食い芸人はポン・ヌーフ橋の上の刃
呑
(
の
)
み芸人である。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
少し行くと二対の
鞦韆
(
ぶらんこ
)
! 女中さんが子供を乗せている。若い楓と若い桜、日光に肌を
炙
(
あぶ
)
っている。
奥さんの家出
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
また私の家の広い芝生で一緒に
鞦韆
(
ぶらんこ
)
に乗ったり、
夾竹桃
(
きょうちくとう
)
の花の咲いた下で、共に楽しく語り合ったり、外に兄妹のない私は、自分の妹のようにフロールと親しんでいた。
陰獣トリステサ
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
それを無理に紫繻子が引張るので、その
度
(
たび
)
に、つかまっている柱が
撓
(
しな
)
って、テント張りの小屋全体が、大風の様にゆれ、アセチリン
瓦斯
(
ガス
)
の
釣
(
つり
)
ランプが、
鞦韆
(
ぶらんこ
)
の様に動いた。
踊る一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
庁舎を出て、用もないまま町の公園をぶらついたすえ、子供らの騒いでいる
鞦韆
(
ぶらんこ
)
のある遊び場までくると、そこの一隅に荷を下ろしていた、うすぎたない
饅頭屋
(
まんじゅうや
)
の小男が
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「——
先
(
せん
)
、
鞦韆
(
ぶらんこ
)
しに来ていたんでしょう? 僕、何だかよくない性質がありそうな気がしたもんだから——姉さん、どう思う? 上目で人を視るなんか、陰性で、僕嫌いさ」
伸子
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
また機巧あり、ベルトが
睹
(
み
)
た尾長猴はいかにこんがらがった鎖をも
手迅
(
てばや
)
く解き戻し、あるいは旨く
鞦韆
(
ぶらんこ
)
を御して遠い物を手に取り、また己れを愛撫するに乗じてその持ち物を
掏
(
す
)
った。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
明神
(
みょうじん
)
の
華表
(
とりい
)
から右にはいって、
溝板
(
どぶいた
)
を
踏
(
ふ
)
み鳴らす細い小路を通って、駄菓子屋の
角
(
かど
)
を左に、それから少し行くと、向こうに大きな二階造りの建物と
鞦韆
(
ぶらんこ
)
や木馬のある運動場が見えた。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
途中の
焦燥
(
もどか
)
しさは、まるで
際涯
(
はてし
)
もない旅をしている気持であった。畑や村が
車窓
(
まど
)
をかすめて後へ後へと消え、沿道の電線は、
鞦韆
(
ぶらんこ
)
からでも眺めるように、目まぐるしく高まったり
陥
(
お
)
ちこんだりした。
情状酌量
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
鬼ごっこや
繩飛
(
なわと
)
び、遊動木に
鞦韆
(
ぶらんこ
)
など他愛なく遊んでいるうちに、銀子がさっきから仲間をはずれ、
木蔭
(
こかげ
)
のロハ台に、
真蒼
(
まっさお
)
な顔をして坐っているのに気がつき、春次も福太郎もあわてて寄って来た。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
鞦韆
(
ぶらんこ
)
のように往ったり戻ったりすること。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
張子の球にも
鞦韆
(
ぶらんこ
)
にも、手を組んで乗った源吉が、今でも親身の弟のように思えてならなかったのです。
裸身の女仙
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
二階造りの大きな建物で、木馬と金棒と
鞦韆
(
ぶらんこ
)
とがあった。運動場には
小倉
(
こくら
)
の
詰襟
(
つめえり
)
の洋服を着た寄宿舎にいる生徒がところどころにちらほら歩いているばかり、どの教室もしんとしていた。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
陳はその庭を通って小さな
亭
(
ちん
)
の
傍
(
そば
)
へ往った。そこに
鞦韆
(
ぶらんこ
)
の
架
(
たな
)
があったが、それは雲と同じ高さのもので、その
索
(
なわ
)
はひっそりと垂れていた。陳はそこで
此所
(
ここ
)
は
閨閣
(
おおおく
)
に近い所ではないかと思った。
西湖主
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「
鞦韆
(
ぶらんこ
)
を
拵
(
こしら
)
えてお
遣
(
や
)
んなさい。」
二、三羽――十二、三羽
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
もう
派手
(
はで
)
な舞臺着の振袖を着て、
萠黄緞子
(
もえぎどんす
)
の
袴
(
はかま
)
を着けて居りましたが、御用の聲を聞くと、側に置いた小道具の一刀を取るより早く、舞臺の上に掛け連ねた、
鞦韆
(
ぶらんこ
)
、綱
銭形平次捕物控:002 振袖源太
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
萌黄緞子
(
もえぎどんす
)
の
袴
(
はかま
)
を着けておりましたが、御用の声を聞くと、側に置いた小道具の一刀を取るより早く、舞台の上に掛け連ねた、
鞦韆
(
ぶらんこ
)
、綱、
撞木
(
しゅもく
)
などの間を
猿
(
ましら
)
のようにサッと昇りました。
銭形平次捕物控:002 振袖源太
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
鞦
漢検1級
部首:⾰
18画
韆
漢検1級
部首:⾰
24画
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鞦韆飛