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めんくわい
私は
未だ
此大佐とは
甞て
面會した
事は
無いが、
兼て
聞く
櫻木海軍大佐とは
無二の
親友で、また、
私の
爲には
終世忘るゝ
事の
出來ない
所が
杉原の
方では、
妙な
引掛りから、
宗助の
此所に
燻ぶつてゐる
事を
聞き
出して、
強いて
面會を
希望するので、
宗助も
已を
得ず
我を
折つた。
思ひ付き一兩日過て又々彼三河町に
到り千太郎に
面會し扨若旦那折入て御相談が御座りますゆゑ
態々用を
なし
白洲へ罷出けるに大岡殿出座有て如何に其方共
先達て御仕置に仰付られたる彦兵衞
悴彦三郎と申者は
何方に於て
面會致したるやと尋ねられしかば兩人ハツと
平伏なし私しども先夜大森まで客を
ま、ま、お
待ちなさい、お
待ちなさい、
今から
旅亭へ
皈つたとて
何になります。
久ぶりの
面會なるを
今日は
足る
程語つて
今夜の
御出發も
是非に
私の
家より。
さして立歸り
頓て近所の
湯屋の二階へ上りて夫となく樣子を
聞糺し夫より
近邊の
割烹店へ上り
竊かに千太郎を呼び出し初めて
面會に及び
段々の挨拶も終りければ彼小夜衣よりの
言傳を
落もなく物語りを