ばな)” の例文
道筋みちすぢには處々ところ/″\はなばなれないへ隙間すきまちひさな麥畑むぎばたけがあつた。麥畑むぎばたけうね大抵たいてい東西とうざいかたちづけられてあつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
地球ちきゆう自轉じてん其他そのた作用さようで、次第しだいはなばなれになつて今日こんにちのようになつたものとしんじられてゐる。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
二人ふたりが始めて離ればなれに寝たのにも一言ひとこともいわないのがかすかに葉子を物足らなく思わせたけれども、葉子は胸が広々としてなんという事もなく喜ばしくってたまらなかった。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
むかしあるお大名が二人ふたり目黒辺へ鷹狩たかがりに行って、所々方々をまわった末、大変空腹になったが、あいにく弁当の用意もなし、家来ともはなばなれになって口腹をたすかてを受ける事ができず
私の個人主義 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
いつ逢ふか知れない世界にはなばなれになつてしまふのだ
太陽の子 (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
ばなれ そきりとも一三
もし自然しぜん此儘このまゝ無爲むゐ月日つきひつたなら、ひさしからぬうちに、坂井さかゐむかし坂井さかゐになり、宗助そうすけもと宗助そうすけになつて、がけうへがけしたたがひいへへだゝごとく、たがひこゝろはなばなれになつたにちがひなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)