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陰口
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かげぐち
ふりがな文庫
“
陰口
(
かげぐち
)” の例文
こんなお
陰口
(
かげぐち
)
も言いながら似合わしい第二の夫人のお取り持ちをしようとする人たちも相当多いのであるが、宮は耳をお傾けにならなかった。
源氏物語:47 橋姫
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
ところが、どこから聞いて来たか、平太と郎党の木工助が、夜明け方、
廐
(
うまや
)
の蔭で、しきりと、わたくしの
陰口
(
かげぐち
)
をきいているではございませんか。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
陰口
(
かげぐち
)
をいう者の人格の
下劣
(
げれつ
)
にして、
些
(
いささか
)
の
俸禄
(
ほうろく
)
のために心の独立を失い、口に言わんと欲することを
得
(
え
)
言わず、はなはだしきは心に思わんと欲することさえも、まったく思わず
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
なんのかのと
陰口
(
かげぐち
)
をいうものの、かれは多年この村のためになってくれた男である。ふだんの行状も別に悪くはない。それが母をうしなって不自由であるから嫁を貰いたいという。
青蛙堂鬼談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
二
年
(
ねん
)
三
年
(
ねん
)
は
夢
(
ゆめ
)
の
間
(
ま
)
に
過
(
す
)
ぎ、
未亡人
(
びぼうじん
)
の
操行
(
さうかう
)
に
關
(
くわん
)
して
誰一人
(
たれひとり
)
陰口
(
かげぐち
)
を
利
(
き
)
く
者
(
もの
)
もなかつた。
貧
(
まづ
)
しくはあつたけれど
彼女
(
かのぢよ
)
の
家柄
(
いへがら
)
もよかつたので、
多少
(
たせう
)
の
尊敬
(
そんけい
)
の
心持
(
こゝろも
)
ちも
加
(
くは
)
へて
人々
(
ひと/″\
)
は
彼女
(
かのぢよ
)
を
信用
(
しんよう
)
した。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
▼ もっと見る
「
厭
(
や
)
だ/\」といふ
底
(
そこ
)
に一
種
(
しゆ
)
の
意味
(
いみ
)
を
含
(
ふく
)
んだ一
語
(
ご
)
を
投
(
な
)
げ
棄
(
す
)
てゝ
別
(
わか
)
れるのである。
殊
(
こと
)
には
村落
(
むら
)
の
若者
(
わかもの
)
の
間
(
あひだ
)
へは
寸毫
(
すんがう
)
も
遠慮
(
ゑんりよ
)
の
無
(
な
)
い
想像
(
さうざう
)
に
伴
(
ともな
)
ふ
陰口
(
かげぐち
)
を
逞
(
たくま
)
しくせしめる
好箇
(
かうこ
)
の
材料
(
ざいれう
)
を
提供
(
ていきよう
)
したのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
と
陰口
(
かげぐち
)
をするのが兵部卿の宮のお耳にはいった時、不愉快なことを聞く、自分に最愛の妻があった時代にも他との恋愛の遊戯はやめなかった自分も
源氏物語:35 若菜(下)
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
俺
(
おれ
)
のことをこんなこと言った、
怪
(
け
)
しからぬ
奴
(
やつ
)
だ、あんなことをいったが不都合だと互いに
陰口
(
かげぐち
)
きいたのを、
怨
(
うら
)
むようにこそこそと他人の悪口をいうさまは、
毫
(
ごう
)
も裏長屋の
婆
(
ばばあ
)
と
異
(
ちが
)
うことはない
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
と、信長の名が出れば、必ずそこでは、そんな
陰口
(
かげぐち
)
を聞いたものである。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その不快が
陰口
(
かげぐち
)
となって表われた。
鷲
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
しばらく御自身のお居間でお
寝
(
やす
)
みになってから起きて新夫人の
文
(
ふみ
)
をお書きになった。あの御様子ではお気に入らないのでもなかったらしいなどと女房たちは
陰口
(
かげぐち
)
をしていた。
源氏物語:51 宿り木
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
と、自解のきざしを
陰口
(
かげぐち
)
に
囁
(
ささや
)
かれている時流だった。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
などと
陰口
(
かげぐち
)
をしながら、今日も御所へ出す若君にまた
源氏物語:45 紅梅
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
陰
常用漢字
中学
部首:⾩
11画
口
常用漢字
小1
部首:⼝
3画
“陰”で始まる語句
陰
陰鬱
陰影
陰気
陰翳
陰陽師
陰氣
陰陽
陰欝
陰々