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野薔薇
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のばら
ふりがな文庫
“
野薔薇
(
のばら
)” の例文
次いではシューマンの『
胡桃
(
くるみ
)
の樹』(JD一一〇)、シューベルトの『
野薔薇
(
のばら
)
』『
汝
(
なれ
)
こそわが
憩
(
いこ
)
い』など可憐なレコードだ。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
冬になるとすっかり雪に
埋
(
うず
)
まってしまうこんな寒村に一人の看護婦を相手に
暮
(
く
)
らしている老医師とその美しい
野薔薇
(
のばら
)
の話
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
唄ってしまうと、一層
羞
(
はず
)
かしそうにさし
俯向
(
うつむ
)
いていたが、
暫
(
しばら
)
くしてから、又シューベルトの「
野薔薇
(
のばら
)
」を唄い出した。
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
なぜというと、向こうには赤い屋根と
旗
(
はた
)
が見えますし、道の両側には白あじさいと
野薔薇
(
のばら
)
が恋でもしているように二つずつならんで植わっていましたから。
真夏の夢
(新字新仮名)
/
アウグスト・ストリンドベリ
(著)
高野さちよを
野薔薇
(
のばら
)
としたら、八重田数枝は、あざみである。大阪の生れで、もともと貧しい育ちの娘であった。お菓子屋をしている老父母は健在である。
火の鳥
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
▼ もっと見る
黒い木の枝の先には、
皺
(
しわ
)
寄った小さな手のように葉が開いていた。数本の
林檎
(
りんご
)
の樹には花が咲いていた。細く伸びた
野薔薇
(
のばら
)
が、
籬
(
まがき
)
のほとりに
微笑
(
ほほえ
)
んでいた。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
ふいに、
野薔薇
(
のばら
)
の中へ、顔でもつッこんだような、強い
香
(
にお
)
いに、百は
咽
(
む
)
せた。お稲の手を、首すじに感じて、百は、あらい
動悸
(
どうき
)
と、熱い血に、眼がまわって
野槌の百
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
折れてる
野薔薇
(
のばら
)
の一枝、そういうものも彼らの心を動かして、静かにうれいに浸ってる彼らの
恍惚
(
こうこつ
)
たる感情は、ただ泣くことをのみ求めてるかのようであった。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
と
唄
(
うた
)
いかけた。この詩も、美妙の「
野薔薇
(
のばら
)
」というのの一節だったが、妹は、
後
(
うしろ
)
に立った母親に言った。
田沢稲船
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
この一ヶ月中、このあなたときたらまるで
鰻
(
うなぎ
)
のやうに掴まへやうがなく、
野薔薇
(
のばら
)
のやうに刺したんですからね! どこにだつて一寸手を
觸
(
ふ
)
れゝば突き刺されたんだもの。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
おぎんの心は両親のように、熱風に吹かれた
沙漠
(
さばく
)
ではない。
素朴
(
そぼく
)
な
野薔薇
(
のばら
)
の花を
交
(
まじ
)
えた、実りの豊かな麦畠である。おぎんは両親を失った後、じょあん孫七の養女になった。
おぎん
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そこは町からも
可成
(
かな
)
り離れてゐて、あたりには一軒の家もなく、人影も見えず、ただ「
濱
(
はま
)
なし」と云ふ
野薔薇
(
のばら
)
に似たやうな赤い花がところどころにぽつぽつ咲いてゐるばかりであつたが
処女作の思い出
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
朝露の
野薔薇
(
のばら
)
のいへる
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
ひょいと
野薔薇
(
のばら
)
のことを忘れていたら、そういう気まぐれな私を責め訴えるかのように、その花々が私にさっきの香りを返してくれたのだった。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
こんな美しいやるせない感情を歌って、少しも安価な感傷や芝居気に堕さないクルプは尊いと思う。『
野薔薇
(
のばら
)
』も『セレナード』も推賞される。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
生籬
(
いけがき
)
には清い
野薔薇
(
のばら
)
が花を開いていた。青銅色の葉をつけてる
樫
(
かし
)
の木立の陰に、小さなテーブルが設けられていた。三人の自転車乗りがその一つに陣取っていた。
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
柊
(
ひいらぎ
)
や
蕁麻
(
いらぐさ
)
や
山査子
(
さんざし
)
や
野薔薇
(
のばら
)
や
薊
(
あざみ
)
や気短かな
茨
(
いばら
)
などと戦わなければならなかった。非常な
掻傷
(
そうしょう
)
を受けた。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
日吉も、於福も、仁王も、ほかの
洟
(
はな
)
っ
垂
(
た
)
らしも、眼をかがやかして、そこらの
野薔薇
(
のばら
)
や
菫
(
すみれ
)
や雑草の花をむしり取って、両手につかみ、眼の前を勇しい武将や兵が通るたびに
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
野薔薇
(
のばら
)
のような可憐な顔ではなく、(女性の顔を、とやかく批評するのは失礼な事であるが)
ろまん灯籠
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
寄宿舎から、その春、入寮したばかりの若い生徒たちは、一群れの
熊蜂
(
くまばち
)
のように、うなりながら、巣離れていった。めいめいの
野薔薇
(
のばら
)
を目ざして……
麦藁帽子
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
翌一八一五年は、百五十七曲の歌曲を書き、その中には「
野薔薇
(
のばら
)
」や、「魔王」などがあった。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
自分があんなにも愛した彼の病院の裏側の
野薔薇
(
のばら
)
の
生墻
(
いけがき
)
のことを何か切ないような気持になって思い出していた。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
「
野薔薇
(
のばら
)
」「アヴェ・マリア」「聴け
雲雀
(
ひばり
)
」といった可愛らしいものが良い。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
野
常用漢字
小2
部首:⾥
11画
薔
漢検1級
部首:⾋
16画
薇
漢検1級
部首:⾋
16画
“野”で始まる語句
野
野原
野暮
野分
野面
野郎
野良
野路
野菜
野茨