いさめ)” の例文
光秀陣中の場は光秀が死を決して斎藤大八郎のいさめを用ゐぬ処なるが、ここも双方共あまり先を見通し過ぎてまことらしからず。
あるとき、什物を取出し売るを、一人の僧見ていさめを加へけるに、聞入れざれば、この由住持に告げ、追退おいのけ給はずば、ために悪しかりなんと言ふ。
艸木虫魚 (新字新仮名) / 薄田泣菫(著)
親王はこのいさめを耳にも掛けず、自ら被告の手を執ってこれを連れ去ろうとせられたから、ガスコインはこれを制止し、大喝一声、親王に向って退廷を命じた。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
殺しぬすみなどする者に非ず何か謂れの有さうな事と明暮あけくれかなしなげき一かう食事しよくじも致さぬゆゑ我等われらはゝいさめ江戸えどへ參り樣子を承まはり申さんと云て大坂を立出昨日六がうの渡しを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
○去年とは昌泰しやうたい三年なり(延喜元年の一年まへ)其年の九月十三夜、 清涼殿に侍候じかうありし時、秋思といふだいを玉はりしに、こゝろにことよせていさめたてまつりしに
それはソフイア・イワノフナと、さつき倒れさうになつた時支へてくれた商人とである。セルギウスは体を大切にして貰ひたいと云ふ人のいさめも聴かずに、勤行を続けた。
自分の塾に門生としていた関係があるから師のいさめなら胆に銘じるものと考えたのであろうが、どうして、彼と来ては父春水をさえ道学先生とあなどり、茶山なども愚にしていた男だ。
梅颸の杖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
されば日に増し募る入道が無道の行爲ふるまひ、一朝の怒に其の身を忘れ、小松内府のいさめをも用ひず、恐れ多くも後白河法皇を鳥羽とばの北殿に押籠め奉り、卿相雲客の或は累代の官職をはが
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
「お前達のいさめを聞かないで厳島に城を築いて見たが、よく考えてみると、ひどい失策をしたもんだ。敵に取られる為に城を築いたようなもんだ。あすこを取られては味方の一大事である」
厳島合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
いさめに従う事流るるがごとしとは僕の事を云ったものだよ」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あなたのお耳に入れたいいさめの情に駆られまして
下 化城諭品けじょうゆぼんいさめきか執着しゅうじゃく
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
○去年とは昌泰しやうたい三年なり(延喜元年の一年まへ)其年の九月十三夜、 清涼殿に侍候じかうありし時、秋思といふだいを玉はりしに、こゝろにことよせていさめたてまつりしに
久八がすかさずたもとに取すがり此程もあれほど御いさめ申せしにお通ひ成るは何事ぞ其後も度々御見かけ申せど此久八にかくまはり少しも御身の落付ぬは如何なる天魔てんま魅入みいりしやと涙を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
たのしみにくらし給へと種々いろ/\なだめつすかしついさめると雖もお光は更に思ひ止るべき所存しよぞんなければ猶押かへして頼みけるに清右衞門一ゑん取用ひ呉ざれば詮術せんすべなさに凄々すご/\と我が屋へこそ立戻たちもどれど熟々つく/″\思へばおもふ程無念悔しさ止難やみがたければ店請人たなうけにん清右衞門を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)