親不孝おやふかう)” の例文
ほんにおまへ心遣こゝろづかひがおもはれるとうれしきなかにもおもふまゝの通路つうろかなはねば、愚痴ぐちの一トつかみいやしき身分みぶんなさけなげにはれて、本當ほんたうわたし親不孝おやふかうだとおもひまする
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ばおすゝめ申せばにもかくにもかたよりし事のみ被仰おつしやりいでなくば御兩親樣が折角のお心盡しもに成て返つてかけ御心配ごしんぱい學問なさるが親不孝おやふかうと申すはこゝの次第なりと一什を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
第一だいいち色氣いろけがあつてはゞからず、親不孝おやふかうかへりみざるともがらは、男女ふたり相乘あひのりをしたものである。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「お内儀かみさん親不孝おやふかうだなんちな、おや警察けいさつへでもねがつてなけりや巡査じゆんさばかしぢやどうすることも出來できねえもんでござんせうかね」勘次かんじ先刻さつきからのはなしうちにもなんだかうしろからものおそはれるやうな容子ようすまなかつたがつひういつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
いふてはるけれどおまへ親不孝おやふかう子不孝こふかうすこしは行末ゆくすゑをもおもふて眞人間まにんげんになつてくだされ、御酒ごしゆのんらすは一ときしんから改心かいしんしてくださらねば心元こゝろもとなくおもはれますとて女房にようぼううちなげくに
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)