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萬年
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まんねん
もう
忍耐が
出來ない、
萬年ペンをとつて
振りあげた、その
恐ろしい
笞の
下で
憐みを
乞ふかのように
鳴いてゐる、それが
毆けるか。
此至情をあざける
人は、百
萬年も千
萬年も
生きるが
可い、
御氣の
毒ながら
地球の
皮は
忽ち
諸君を
吸ひ
込むべく
待つて
居る、
泡のかたまり
先生諸君
鶴千年龜萬年人間常住いつも
月夜に
米の
飯ならんを
願ひ
假にも
無常を
觀ずるなかれとは
大福長者と
成るべき
人の
肝心肝要かなめ
石の
固く
執つて
動かぬ
所なりとか
哀れ
手向の
花一
枝に千
年のちぎり
萬年の
情をつくして、
誰れに
操の
身はひとり
住、あたら
美形を
月花にそむけて、
世は
何時ぞとも
知らず
顏に、
繰るや
珠數の
緒の
引かれては
御佛輪廻にまよひぬべし