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耐
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こた
ふりがな文庫
“
耐
(
こた
)” の例文
森川さんは待ち
耐
(
こた
)
えられなくって、上って来たんだ。これから後の事は余り気の毒だから書くまい。第一森川さんの見識に関する。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
よろめく足を踏み
耐
(
こた
)
へて、室から出ると、足音荒く階段を下りて来たが、
例
(
いつも
)
の女中が恰度丼を二つ載せた膳を持つて来た所で
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
三次は口惜しそうに呟いた、「高の知れた端唄ぐれえが、なんでこんなに胆へ
耐
(
こた
)
えるんだか、ぜんてえ訳が分らねえ……」
暗がりの乙松
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
之が一等
支出
(
めり
)
が立た無くて好いのだが、只此風に、
耐
(
こた
)
える。煎餅屋の
招牌
(
かんばん
)
の蔭だと、大分
凌
(
しの
)
げる。少し早目に出掛けよう。
越後獅子
(新字新仮名)
/
羽志主水
(著)
と、ずしりと腕に
耐
(
こた
)
える部厚なものを繰ってゆくうちに、ふと四、五頁、貼りついている部分があるのにぶつかった。
潜航艇「鷹の城」
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
▼ もっと見る
今日
(
こんにち
)
では内務の一等属、何とかの係長たることを得たのだという話を長々と聴かされて、私は
痺
(
しびれ
)
が切れて、
耐
(
こた
)
え切れなくなって、泣出しそうだった。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「……なに、もう兵糧は、四、五日分しかない? それ以上、持ち
耐
(
こた
)
える糧食は、何物もないのか。何物も」
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
親の
死水
(
しにみず
)
もとらなかった不孝の罰が今身に
耐
(
こた
)
える。これからは女房子の
傍
(
そば
)
を、死ぬまで必ず離れはしない。
一本刀土俵入 二幕五場
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
「さあ大分吹いて来たぞ、
緊
(
しつか
)
りせい。今日一ぱいだ。動けぬ様になるまで獲れい!
耐
(
こた
)
へられるまで耐へるんだ、仕方がなくなつたら網位捨てても
関
(
かま
)
はんから。」
厄年
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
ジョンは、私の顏から、そのことを讀み取つたのか、いきなり、ものも言はずに、ひどく
毆
(
なぐ
)
つた。私は、ひよろ/\とよろけて、一二歩
後
(
あと
)
ずさりして、踏み
耐
(
こた
)
へた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
文「
何
(
ど
)
う致して、
後
(
あと
)
からまいって
上座
(
じょうざ
)
は恐入る、私は
何分
(
なにぶん
)
にも此の寒さに
耐
(
こた
)
えられないから、なるたけ囲炉裏の側へ坐らして貰いたい、今日の
寒気
(
かんき
)
は又別段ですなア」
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
心の
跳
(
おど
)
るのが押え切れず、胸騒がする、気が
鬱
(
ふさ
)
ぐ、もう引入れられそうで
耐
(
こた
)
えられなくなって、
香
(
こう
)
の
薫
(
かおり
)
に染みた不断着をそのまま、かかる時、梓が
行
(
ゆ
)
くのは必ず湯島。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
踏み
耐
(
こた
)
へんとせし貫一は水道工事の
鉄道
(
レイル
)
に
跌
(
つまづ
)
きて
仆
(
たふ
)
るるを、得たりと
附入
(
つけい
)
る曲者は、
余
(
あまり
)
に
躁
(
はや
)
りて貫一の仆れたるに又跌き、一間ばかりの
彼方
(
あなた
)
に
反跳
(
はずみ
)
を打ちて投飛されぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
どうも恐ろしい向こう意気だ、しかも守勢を持ち
耐
(
こた
)
えている。まごまごすると打ち込まれるぞ……これが十二の少年か? いや全く恐ろしい話だ。産まれながらの武辺者。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
よくよく汝をいとしがればぞ踏み
耐
(
こた
)
えたるとも知らざるか、汝が運のよきのみにて汝が
手腕
(
うで
)
のよきのみにて汝が心の正直のみにて、上人様より今度の
工事
(
しごと
)
命
(
いいつ
)
けられしと思い居るか
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
料理人 (門口に出て弥八の後姿を眺め)ヘッ、弥あ公の無法者も頭搗きを一本カマされて、
耐
(
こた
)
えたと見えて、海老みたいに体を曲げて歩いてやがる。いい気味だなあ。
一本刀土俵入 二幕五場
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
何しろ、あの黒い、メタン
瓦斯
(
ガス
)
を吐いている水の中へ頭までもぐって為事をするのだから
些
(
ちょ
)
っと
耐
(
こた
)
える。今は午前四時である。横浜へは行くまいと思う、何しろ金がないのだから。
青べか日記:――吾が生活 し・さ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
唯心ばかりは
主
(
しゅう
)
とも親とも思ッて善く
事
(
つか
)
えるが、気が
利
(
き
)
かぬと言ッては
睨付
(
ねめつ
)
けられる事何時も何時も、その度ごとに親の
難有
(
ありがた
)
サが身に
染
(
し
)
み骨に
耐
(
こた
)
えて、袖に露を置くことは有りながら
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「しかし蔦屋も気の毒だな。身上半減は辛かろう。日頃剛愎であるだけにこんな場合には尚
耐
(
こた
)
えよう。それに
年来
(
としごろ
)
蔦屋には随分俺も厄介になった。ここで
没義道
(
もぎどう
)
に見捨ることも出来ない」
戯作者
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「打ち込んで行くか、打ち込まれるか、どうかしなければいたたまれない。とてもこのままでは持ち
耐
(
こた
)
えられない……といって向こうからは打ち込んでは来まい。ではこっちから打ち込まなければならぬ」
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
耐
常用漢字
中学
部首:⽽
9画
“耐”を含む語句
忍耐
耐忍
居耐
忍耐力
一耐
忍耐強
耐難
耐力
押耐
耐震的
耐震的工風
耐震家屋
耐震家屋内
耐震性
耐震構造法
耐震率
耐震的工夫
耐火煉瓦
耐震的建築
耐震的樣式手法
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