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ほうたい
ふりがな文庫
“
繃帶
(
ほうたい
)” の例文
新字:
繃帯
繃帶
(
ほうたい
)
が
乾
(
かわ
)
いて
居
(
を
)
れば五六
日
(
にち
)
は
棄
(
す
)
てゝ
置
(
お
)
いても
好
(
い
)
いが、
液汁
(
みづ
)
が
浸
(
し
)
み
出
(
だ
)
すやうならば
明日
(
あす
)
にも
直
(
すぐ
)
に
來
(
く
)
るやうにと
醫者
(
いしや
)
はいつたのであるが
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
見ると成程床の上に起き直つて、頭から肩へ
繃帶
(
ほうたい
)
だらけになつて居るのは、五十五といふにしては、ひどく若々しく元氣な男。
銭形平次捕物控:248 屠蘇の杯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
森羅萬象
(
ものといふもの
)
を全く眞ツ白に引ツ包むで了ツてこそ美觀もあるけれども、これが山脈や屋根に
斑
(
まだら
)
になツてゐたり、物の陰や家の
背後
(
うしろ
)
に
繃帶
(
ほうたい
)
をしたやうに殘ツてゐては
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
ト
頭
(
あたま
)
から
頬
(
ほゝ
)
へ
縱横
(
たてよこ
)
に
繃帶
(
ほうたい
)
を
掛
(
か
)
けて
居
(
ゐ
)
る。
片頬
(
かたほゝ
)
が
然
(
さ
)
らでも
大面
(
おほづら
)
の
面
(
つら
)
を、
別
(
べつ
)
に
一面
(
ひとつ
)
顏
(
かほ
)
を
横
(
よこ
)
に
附着
(
くツつ
)
けたやうに、だぶりと
膨
(
ふく
)
れて、
咽喉
(
のど
)
の
下
(
した
)
まで
垂下
(
たれさが
)
つて、はち
切
(
き
)
れさうで、ぶよ/\して、わづかに
目
(
め
)
と、
鼻
(
はな
)
。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
百姓
(
ひやくしやう
)
の
凡
(
すべ
)
ては
彼
(
かれ
)
の
心
(
こゝろ
)
を
推測
(
すゐそく
)
する
程
(
ほど
)
鋭敏
(
えいびん
)
な
目
(
め
)
を
有
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
なかつた。
彼
(
かれ
)
は
自棄
(
やけ
)
に
態
(
わざ
)
と
繃帶
(
ほうたい
)
の
手
(
て
)
を
抱
(
だ
)
いて
數日間
(
すうじつかん
)
ぶら/\と
遊
(
あそ
)
んで
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
掻卷を脱ぐと、
繃帶
(
ほうたい
)
で包まれた丸い肩、寢卷の襟がくつろげて、紅色眞珠の首筋から胸へ、さすがに處女らしい美しさです。
銭形平次捕物控:232 青葉の寮
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
手先
(
てさき
)
の
火傷
(
やけど
)
は
横頬
(
よこほゝ
)
のやうな
疼痛
(
いたみ
)
も
瘡痍
(
きず
)
もなかつたが
醫者
(
いしや
)
は
其處
(
そこ
)
にもざつと
繃帶
(
ほうたい
)
をした。
與吉
(
よきち
)
は
目
(
め
)
ばかり
出
(
だ
)
して
大袈裟
(
おほげさ
)
な
姿
(
すがた
)
に
成
(
な
)
つて
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
お菊は半元服の美しい眉をあげて
愼
(
つゝ
)
しみ深く床の上に起き直りました。肩から首へ
繃帶
(
ほうたい
)
をしてをりますが、若々しさに張り切つた、いかにも良い嫁です。
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
左の眼から頬へかけて顏半分の
繃帶
(
ほうたい
)
をして居るのが、
鬱陶
(
うつたう
)
しく重々しい限りですが、それがこの中年増の内儀の美しさを、一層引立てると言つた、不思議な効果です。
銭形平次捕物控:330 江戸の夜光石
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
宗吉はそれを聽いて、うな垂れて暫らく默つて居りましたが、やがて
繃帶
(
ほうたい
)
だらけの顏を擧げると
銭形平次捕物控:316 正月の香り
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
父親玄龍の手で
繃帶
(
ほうたい
)
したまゝですが、傷は後ろから一と突き、拳上がりに心の臟を刺したらしく、手もとが狂つて傷口がさゝくれてゐる癖に、間違ひもなく娘の命を奪つた
執拗
(
しつあう
)
さが
銭形平次捕物控:196 三つの死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
さすがは三千五百石を
喰
(
は
)
む旗本だけに、氣が落ち着くと、自分で矢を拔き取り、有合せの
布
(
きれ
)
を集めて、キリキリと
繃帶
(
ほうたい
)
はしましたが、流るゝ血は、潮時と見えてなか/\止りません。
銭形平次捕物控:040 兵庫の眼玉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
傳六の死骸は、殺された部屋の次の間に、傷口に
繃帶
(
ほうたい
)
だけ卷いて移してありました。
銭形平次捕物控:150 槍の折れ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
大村兵庫はまだ左の眼に
繃帶
(
ほうたい
)
をしたまゝ、脇息にもたれて平次の方を見やりました。
銭形平次捕物控:040 兵庫の眼玉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ツイ唇をついて出た言葉、頬の色は半面を包んだ
繃帶
(
ほうたい
)
よりも白く見えます。
銭形平次捕物控:100 ガラツ八祝言
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次はお靜に言ひ
含
(
ふく
)
めて、腕に
繃帶
(
ほうたい
)
をしたガラツ八と一緒に出かけました。
銭形平次捕物控:032 路地の足跡
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
怪我をしたお雪は、
繃帶
(
ほうたい
)
に埋まつて、姉のお淺に介抱されて居りました。
銭形平次捕物控:285 隠れん坊
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お信は滿面の
繃帶
(
ほうたい
)
の中で、僅かに美しい眼を、動かします。
銭形平次捕物控:195 若党の恋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
左孝の唇は
繃帶
(
ほうたい
)
の中に僅かに動きます。
銭形平次捕物控:054 麝香の匂ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
繃
漢検1級
部首:⽷
17画
帶
部首:⼱
11画
“繃”で始まる語句
繃帯
繃帯巻