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絶
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たや
ふりがな文庫
“
絶
(
たや
)” の例文
いかに暑さの烈しい晩でも、この土地では、お客の上った合図に下から茶を持って行く習慣なので、どの家でも火と湯とを
絶
(
たや
)
した事がない。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
といって日本風の家では客が来ると火を出し茶を出すから火を
絶
(
たや
)
す事も出来ん。そこで無用な火気を利用するためにこの万年スープをかけておく。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
……その日は霜が消えなかった——
居周囲
(
いまわり
)
の細君女房連が、湯屋でも、
髪結
(
かみゆい
)
でもまだ風説を
絶
(
たや
)
さぬ、お稲ちゃんと云った評判娘にそっくりなのであった。
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お涌自身の家は下町の洋服業組合の副頭取をしていて、家中が事務所のように開放され、忙しく機敏な人たちが、次々と来て笑い声や冗談を
絶
(
たや
)
さなかった。
蝙蝠
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
これより
降
(
くだ
)
っては、
背皺
(
せじわ
)
よると
枕詞
(
まくらことば
)
の付く「スコッチ」の背広にゴリゴリするほどの牛の毛皮靴、そこで
踵
(
かかと
)
にお飾を
絶
(
たや
)
さぬところから
泥
(
どろ
)
に尾を
曳
(
ひ
)
く
亀甲洋袴
(
かめのこズボン
)
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
▼ もっと見る
冬はこの炉に
焚火
(
たきび
)
を
絶
(
たや
)
したことが無いと、主人が言った。ここまで上ると、余程気候も違う。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
父親は太郎からそれを聞いて、「他よりあらわれなば、この家をも
絶
(
たや
)
されん、
祖
(
みおや
)
の
為
(
ため
)
子孫
(
のち
)
の為には、不孝の子一人
惜
(
おし
)
からじ、
明
(
あす
)
は訴え
出
(
い
)
でよ」と云って
大宮司
(
だいぐじ
)
の
許
(
もと
)
へ訴えさした。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
日来
(
ひごろ
)
は
一七一
一
毛
(
まう
)
をもぬかざるが、何の
報
(
むくい
)
にてかう良からぬ心や出できぬらん。
一七二
他
(
ほか
)
よりあらはれなば此の家をも
絶
(
たや
)
されん。
祖
(
みおや
)
の為
子孫
(
のち
)
の為には、不孝の子一人惜しからじ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
素
(
もと
)
より稻垣の家を興す認めはござらん、生甲斐のない我が身の果、死する時に死せざれば死に勝るの恥あり
憖
(
なまじ
)
いに[#「
憖
(
なまじ
)
いに」は底本では「
※
(
なまじ
)
いに」]生恥をかいて稻垣の苗字を
絶
(
たや
)
し
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
背戸
(
せど
)
から隣の家へそっと火を借りに行くなどということは、
勿論
(
もちろん
)
もう必要の無いことであるが、それでも昔
大歳
(
おおとし
)
の夜おそく、火種を
絶
(
たや
)
してしまった新嫁が、途法にくれて
門
(
かど
)
に出て立っていると
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
お涌自身の家は下町の洋服業組合の副
頭取
(
とうどり
)
をしてゐて、家中が事務所のやうに開放され、忙しく機敏な人たちが、次々と来て笑ひ声や冗談を
絶
(
たや
)
さなかつた。
蝙蝠
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
血統
(
ちすじ
)
が絶える、田沢の家を、田沢の家をと、せめて後を
絶
(
たや
)
さないように遺言をしたんです。
神鷺之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
今日この頃の時節は日本では厳寒の最中なので花の見られる時ではなく、夜の寒さは庭のささやかな
蓮池
(
はすいけ
)
にも厚い氷をはらせるのであるが、それでも
薔薇
(
ばら
)
と
椿
(
つばき
)
の花を
絶
(
たや
)
すことはない。
仮寐の夢
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
村の者はそれと聞いて
慟哭
(
どうこく
)
した。そして、血に染まった権兵衛の錦の小袴を小さく裂いて、家の守神にすると云って
皆
(
みんな
)
で別けあうとともに、その遺骸を津寺に葬って
香華
(
こうげ
)
を
絶
(
たや
)
さなかった。
海神に祈る
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
姥 もし、お前様、その浅ましい人間でさえ、約束を堅く守って、五百年、七百年、
盟約
(
ちかい
)
を忘れぬではござりませぬか。盟約を忘れませねばこそ、朝六つ暮六つ丑満つ、と三度の鐘を
絶
(
たや
)
しませぬ。
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
絶
常用漢字
小5
部首:⽷
12画
“絶”を含む語句
絶頂
拒絶
謝絶
絶壁
絶入
中絶
絶間
杜絶
絶望
絶対
断絶
途絶
絶叫
気絶
絶巓
根絶
息絶
絶世
絶滅
絶息
...