センチ)” の例文
(1)針状 雪の針状結晶と外観は似ていて、普通直径〇・二ミリ乃至〇・五粍位、長さ一センチほどの針になって雪面から突出している。
(新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
直径が一メートルきょうもあって、非常に重かった。そしてその上には、楕円形だえんけいの穴が明いていた。十五センチに二十糎だから、円に近い。
俘囚 (新字新仮名) / 海野十三(著)
センチ速射砲の無気味ぶきみなる砲口を桟敷の中央に向けたと思うと、来賓席の二段目を目がけて、たちまち打ち出す薔薇やアネモネの炸裂弾。
きずは心臓のいくぶん上方で、おそらく上行大動脈を切断しているものと思われたが、円形の何か金属らしい、径一センチほどの刺傷だった。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
梯子段はしごだんの下に据付けた金庫の上は、強力な薬品で腐食させられて、三十センチ四方ほどの大穴があいているのを見て、思わず綾子は立ちすくみました。
水中の宮殿 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
其処にタンクの横ッ腹から突出している径一センチ長さ〇・六メートル程の鉄棒を指差しながら、下を振向いて助役へ言った。
気狂い機関車 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
大体が二センチばかりもある厚いノートであったからどのくらいがむしりとられているのかはハッキリしないが、よほどの厚さを破り去られているらしいのであった。
令嬢エミーラの日記 (新字新仮名) / 橘外男(著)
白菜を四センチ位に型をくずさない様にぶつぶつ切りまして、三枚肉は普通に切ったのを一緒に水をたっぷり入れてはじめからあんまり強くない火で永い時間に煮ます。
十八番料理集 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
やっぱり黒い革の筆入があり、その中には万年筆もはいっていた。私は、緑のヨット鉛筆を一本ぬいて手ばやくポケットへ入れた。十五六センチあり、滑かにけずられていた。
灰色の記憶 (新字新仮名) / 久坂葉子(著)
『三本の黒い縮れ毛の生えた、直径一センチほどの痣が、この世のどこかに存在する。誰かの背中にきっとりついているのだ。その誰かというのは、あの猿沢佐介に違いない』
Sの背中 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
私は伏せる才覚もなかつた。気がついたら、十メートルと離れぬ路上に人が倒れてをり、その家の壁に五センチほどの孔が三十ぐらゐあいてゐた。そのとき以来、私は昼の空襲がきらひになつた。
続戦争と一人の女 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
直径ちょっけいやく七十センチだから周囲しゅういは70cm×3.14=219.8cmというわけだ。
ごんごろ鐘 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
見ると、門の左右の柱の、一太郎君の目の高さぐらいのところに、幅三センチほどの太い線が引いてあって、それが闇の中で青白く光っているのです。電燈のような赤い光ではありません。
智恵の一太郎 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
一番左端の上の弾痕だんこんから、その下の、六十センチほどへだてて、少し右へ寄つた弾痕へ、斜にスツと一本の線をひき、更に今度はその点から、逆に上の方へ、最初の弾痕の右の方に三十糎ほどはなれて
風変りな決闘 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
これらの価から墨の粒子の一つ一つの平均体積は0.75×10−15立方センチとなり、球形とすると、直径は0.00012ミリとなる。
墨流しの物理的研究 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
対空射撃高度が十キロを越す十センチ高射砲の陣地では、一斉に砲弾と火薬とがめられた。照準手は石のように照準望遠鏡に固着している。
空襲下の日本 (新字新仮名) / 海野十三(著)
創底が三センチ程の深さになっていて、それを上方に向けて刳りながら次第に浅くなって行き、全体が六センチ程の長さで、〓の形になって終っている。
夢殿殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
鶴嘴の一方の刃先が長さ約五センチ程のばち形に開いた兇器——よく汽車の窓から見た、線路工夫の振上げているあの逞しい撥形鶴嘴ビーターを、アリアリと眼の中に思い浮べた。
気狂い機関車 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
近頃作った新しい方のは、全体を三列にしきって中央の一列は全部抽斗ひきだしとし、左右はおのおの扉にしてあるが、この扉のまん中に硝子ガラスを幅十センチほどに細長く入れて見た。
厚み二センチもある丈夫な阿弗利加アフリカ樫の板が、真ん中からピチンと二枚に折れていることであった。
令嬢エミーラの日記 (新字新仮名) / 橘外男(著)
腰掛け式の白い瀬戸の便器のまんなかに、十二センチぐらいのニッケルの管がおっ立っているだけのものだが、便器のそばのペダルを踏むと、管の先から、噴水のように、シュッと水がふきだす。
我が家の楽園 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
ある学者が大勢の人に、今のような問を出して、答を集めてみたところが、一等多い答は、さしわたし十四センチぐらいというのだったそうだ。だから、まあ洋食皿とお茶碗の間の大きさなんだね。
智恵の一太郎 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
八十センチぐらいの太い竹のつつが台になっていて、その上にちょっぴり火のともる部分がくっついている、そしてほやは、細いガラスの筒であった。はじめて見るものにはランプとは思えないほどだった。
おじいさんのランプ (新字新仮名) / 新美南吉(著)
これが普通半径15センチの円形の墨膜に拡がるので、墨膜の一平方センチ内にある墨の実質は大体2.72×10−7グラムあることになる。
墨流しの物理的研究 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
「いや、一呑みになさるには及びません。厚さが十センチぐらいの輪切わぎりになって居りますので、お皿にのせて、ナイフとフォークで召しあがれます」
創傷の径は約半センチ、創底は頭蓋腔中に突入していて、周囲の骨には陥没した骨折もなく、砕片も見当らない。
後光殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「弱った、絵図面が無くては、あれ以上一尺(約三十センチ)も掘り進むわけに行かない」
水中の宮殿 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
加害者は、この傷口やそれから後頭部の下部の骨折から見て、幅約〇・八センチ、長さ約五センチの遊離端を持つ鈍器——例えば、先の開いた灰掻棒はいかきぼうみたいなもので、背後から力まかせにぶん殴ったものですな
気狂い機関車 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
長さ五十センチほどの画用紙の筒で、空の月をのぞきながら、その紙筒の先をだんだん細くまいていきますと、月の方でもだんだん小さくなっていって、紙筒の先の穴が、さしわたし三ミリほどになっても
智恵の一太郎 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
墨汁の10−9立方センチをとって、その中にある粒子数を数えたのであるが、算えた数は150くらいの場合から2300にも達した場合があった。
胴のまわり一メートル三、厚さ十センチというでかい蟒の胴を輪切りにした燻製が、常例じょうれいビフテキに使っていた特大皿から、はみ出しそうになっているのである。
兇器は洋式短剣ダッガーですよ。創道は環状軟骨の左二センチ程の所から最初刃を縦にしてえぐりながらななめ上に突き上げているのですから気道は水平の刃で貫いてあります。
聖アレキセイ寺院の惨劇 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
詩子ふみこお姉様の針箱の中に、一センチばかり口紅の付いた針が一本入って居たんです」
身代りの花嫁 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
その真偽をためすためには、次のような簡単な計算をして見れば、問題は極めて明瞭めいりょうになる。この円は直径六センチあって、線の幅は〇・二ミリである。
地球の円い話 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
軟泥は舞上ってロンドンの霧のようにあたりに立罩たちこめ、各自の携帯燈は、視界を殆ど数センチにまで短縮し、一同は壁の中に閉じ込められたようになった。
地球発狂事件 (新字新仮名) / 海野十三丘丘十郎(著)
懐中電灯が二つに蝋燭ろうそくが一つ、粗末と言っても、かなり手際よく敷いた石畳の上には、場所によっては三センチも四センチも水垢が溜っておりますが、その上に二つ三つ五つ——いや、もっともっと沢山
水中の宮殿 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
これが一平面に並ぶと、粒子間の距離は6.3×10−5センチとなり、粒子の直径からみると、約五倍くらいの価になる。
墨流しの物理的研究 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
道夫は芝生の上をはいながら、二人の方へ一センチでも近づこうと努力しながら雪子と川北先生のようすを凝視ぎょうしした。
四次元漂流 (新字新仮名) / 海野十三(著)
即ち平面樹枝結晶は直径一・五ミリ位のものから五粍位までのものについて測定されたのであるが、その落下速度はどれも一秒間に三十センチ位である。
(新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
四十三センチという長い脛は比較的めずらしい方に属するばかりか、あなたの脛骨けいこつ腓骨ひこつの形が非常に美しい。脛骨の正面なんか純正双曲線をなしている”とね。
大脳手術 (新字新仮名) / 海野十三(著)
即ち墨汁の濃度を1.6×10−5ないし3.5×10−6グラム立方センチくらいにして、前文の説明のようにツァイスの格外顕微鏡で粒子の数を算えた。
そこで勝手の悪い雨中戦うちゅうせんをやり、おまけに山一つ向うのオロンガボオ軍港からの四十センチの列車砲の集中砲火をって、その半数以上が一夜のうちにやられたということじゃ。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
この実験ではWは1.36キログラムのものを用い、往復運動は一分間に百回の割合で、硯上を墨が動く距離を五センチとした。
しかモ美醜間ニ於ケル眉目ノ寸法配列等ノ差タルヤ極メテ僅少きんしょうニ過ギナイ。美人ノ眼ガ僅カ一度傾ケバタチマチ醜人ト化シ、醜人ノ唇僅カ一センチ短カケレバ美人ト化スト云ッタ塩梅デアル。
ヒルミ夫人の冷蔵鞄 (新字新仮名) / 海野十三丘丘十郎(著)
気温の高い地方での降雪が大形の牡丹雪になることは事実であって、横浜で観測された記録では前にも述べたように直径十五センチにも及んだものがある。
(新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
はじめは液面は平かに静止していたがややあって、すこし表面波の小さいのが現れたと思うとポッカリと真黒い二センチ立方位の物が浮かび出でた。よくみると、それは小さい鵜烏うがらすであった。
科学者と夜店商人 (新字新仮名) / 海野十三佐野昌一(著)
持ち出されたメロンなるものは、厚さ一センチくらいの薄緑の薄片である。今から考えてみれば、ごく普通のマスクメロンを十六人前くらいに切ったものであった。
寺田先生と銀座 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
百八十センチの長身をもった川上機関大尉に、それはちょうど頃合の制服だった。
浮かぶ飛行島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
卵の目方を五十瓦、底部を球とみなし、その半径を二センチ半として、接触面積を出してみる。簡単な計算ですぐ分ることであるが、円の直径は2.2×10-3糎と出る。
立春の卵 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
この花瓶なんだが、底に深さ一センチばかりの水が残っていた。ピストルは、銃口を下にして入っていたそうだ。ところがピストルの銃口を虫眼鏡でよく調べたが、さびはまだ全然発生していない。
地獄の使者 (新字新仮名) / 海野十三(著)