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立迷
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たちまよ
マーキューシオーの
魂がつい
頭上に
立迷うて
同伴者を
求めてゐる、
足下か、
俺か、
兩人ながらか、
同伴をせねばならぬぞ。
路傍に寝て
居る犬を
驚して
勢よく
駈け去つた車の
後に、えも
云はれず
立迷つた
化粧の
匂ひが、いかに苦しく、いかに
切なく
身中にしみ渡つたであらう………。
あくる
日、
晩飯の
支度前に、
臺所から
女中部屋を
掛けて、
女たちが
頻に
立迷つて、ものを
搜す。
素より慣れぬ
徒歩なれば、
數たび或は里の子が
落穗拾はん
畔路にさすらひ、或は露に伏す
鶉の
床の
草村に
立迷うて、絲より細き蟲の
音に、覺束なき行末を
喞てども、問ふに聲なき影ばかり。
但往交ふ
人々は、
皆名所繪の
風情があつて、
中には
塒に
立迷ふ
旅商人の
状も
見えた。
薄暗い
中に
振仰いで見るばかりの、
丈長き女の
衣、低い天井から桂木の
背を
覗いて、
薄煙の
立迷ふ中に、
一本の
女郎花、
枯野に
彳んで
淋しさう、
然も
何となく
活々して、
扱帯一筋纏うたら