突伏つゝぷ)” の例文
我鳴がならしつけが、おめかけあはてもせず、たまかんざしくと、ふなばたから水中すゐちう投込なげこんで、さつかみさばいたとおもへ。……どう突伏つゝぷしてうごかぬだ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そして仕揚しあげに今一息といふ際どい時になつて、刷毛はけを手に持つたまゝ、画の前に突伏つゝぷして倒れてゐた。
女は突伏つゝぷして大泣に泣いた。さすがに聲は立て得ないから背を波打たして苦しさうであつた。
少年の悲哀 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
「おあんさん、私悪かつた……堪忍して……。」と妹はそこの板の間へ突伏つゝぷした。
茗荷畠 (新字旧仮名) / 真山青果(著)
みちすがらあしこほり、火鉢ひばちうへ突伏つゝぷしても、ぶるひやまぬさむさであつたが
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
くちけず……民也たみや身體からだかさなりつて、ちゝ枕頭まくらもと突伏つゝぷした。
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
と、うみいだあとを、ぶる/\ふるへるなみのやうなたゝみうへに、をとこだかをんなだか、二人ふたりばかり打上うちあげられたていで、くろつて突伏つゝぷした真中まんなかに、手酌てじやくでチビリ/\つて亭主ていしゆが、むつくりあたまげて
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)