矢張やツぱり)” の例文
矢張やツぱりいままで歩行あるいてはゞひろいなだらかなはうまさしく本道ほんだう、あと二らずけばやまになつて、それからがたうげになるはず
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つてるわよ、わたしたまごべたわ、眞箇ほんとうよ』ときはめて正直しやうぢきあいちやんがひました、『ちひさなをんなだつてへびのやうに矢張やツぱりたまごべるわ、けど』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
解剖臺に据ゑられたんだからと謂ツて、人間が變ツて生れたのでも何んでも無い。矢張やツぱり我々が母の胎盤を離れた時のやうに、何か希望を持ツて、そして幾分か歡喜の間ににぎやかに生れたものだ。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
矢張やツぱり一の立派な事なのである。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
なんのお前様まへさまたばかりぢや、わけはござりませぬ、みづになつたのはむかふのやぶまでゞ、あと矢張やツぱりこれと同一おんなじ道筋みちすぢやままでは荷車にぐるまならんでとほるでがす。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あいちやんはすこべて、氣遣きづかはしさうに『何方どツち何方どツち?』とつぶやいて、何方どツちおほきくなつたかとおもつてあたま天邊てツぺんをやつてましたが、矢張やツぱりおほきさがおなじなので落膽がつかりしました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
なににしてもおそろしいいまえだにはひるつてるのであらうとあまりことおもつて振返ふりかへると、見返みかへつたなんえだらず矢張やツぱりいくツといふこともないひるかはぢや。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)