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相違
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さうい
いやなお
人にはお
酌をせぬといふが
大詰めの
極りでござんすとて
臆したるさまもなきに、
客はいよ/\
面白がりて
履歴をはなして
聞かせよ
定めて
凄ましい
物語があるに
相違なし
何うしたからとて
人並みでは
無いに
相違なければ、
人並の
事を
考へて
苦勞する
丈間違ひであろ、あゝ
陰氣らしい
何だとて
此樣な
處に
立つて
居るのか、
何しに
此樣な
處へ
出て
來たのか
一
處に
歩いて
話しはしても
居たらうなれど、
切られたは
後袈裟、
頬先のかすり
疵、
頭筋の
突疵など
色々あれども、たしかに
逃げる
處を
遣られたに
相違ない、
引かへて
男は
美事な
切腹
行ちがへに三
之助、
此處と
聞きたる
白銀臺町、
相違なく
尋ねあてゝ、
我が
身のみすぼらしきに
姉の
肩身を
思ひやりて、
勝手口より
怕々のぞけば、
誰れぞ
來しかと
竈の
前に
泣き
伏したるお
峯が
母御前の
意地わるに
逆らふやうの
事は
君として
無きに
相違なけれどもこれ
第一に
心がけ
給へ、
言ふことは
多し、
思ふことは
多し、
我れは
世を
終るまで
君のもとへ
文の
便りをたゝざるべければ