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痛罵
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つうば
ふりがな文庫
“
痛罵
(
つうば
)” の例文
巡礼の
痛罵
(
つうば
)
そういう風で先生達は名高い〔霊場や〕ラマ達の巡礼を
済
(
す
)
まして、ゲンパラ即ち今私の立止って居る所まで帰って来た。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
彼の逞ましい精神が腐敗せる社会に投げつけた烈しい
痛罵
(
つうば
)
譴責
(
けんせき
)
の声が、当時の社会に
震撼的
(
しんかんてき
)
な印象を与えたことは前に一言したが
クロイツェル・ソナタ:02 解題
(新字新仮名)
/
米川正夫
(著)
在来の芝居に強い執着を持っている江戸以来の観客は、これを一種の邪道のように認めて、ある者は
痛罵
(
つうば
)
した。ある者は冷笑した。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ここに於てか電火ひらめき、万雷はためき、人類に対する
痛罵
(
つうば
)
、
宛
(
あたか
)
も
薬綫
(
やくせん
)
の爆発する如く、
所謂
(
いはゆる
)
「不感無覚」の
墻壁
(
しようへき
)
を破り
了
(
をはん
)
ぬ。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
抱一は好き嫌いの
劇
(
はげ
)
しい感情家であったが、紅葉が大嫌いで、談紅葉に及ぶごとに口を極めて
痛罵
(
つうば
)
するので、その
度毎
(
たんび
)
に
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
▼ もっと見る
ところが、少年は何をそんなに憤慨しているのか、わけもなく
癇癪
(
かんしゃく
)
筋をふくらませて、おそろしくいけぞんざいな
痛罵
(
つうば
)
を右門に浴びせかけました。
右門捕物帖:14 曲芸三人娘
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
これは知識ある階級の人すら家具及び家内装飾等の日常芸術に対して、一向に無頓着である事を
痛罵
(
つうば
)
したものである。わが日本の社会においてもまた同様。
妾宅
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
それから教室に於いては
湯目
(
ゆめ
)
教授の
独逸
(
ドイツ
)
語がひどく神経に障った。殊に教授は意地悪く余に読ませた。そうして常に下読を怠っていた余は両三度手ひどく
痛罵
(
つうば
)
された。
子規居士と余
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
塀
(
へい
)
を高くし門を固めて暖き夢に
耽
(
ふけ
)
つて居るのを見ては、暗黒の空を
睨
(
にらん
)
で皇天の不公平——ぢやない其の卑劣を
痛罵
(
つうば
)
したくなるンだ、
特
(
こと
)
に近来仙台阪の中腹に三菱の奴が
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
と、蒋欽、徐盛のともがらは、都督
周瑜
(
しゅうゆ
)
の面前で、その責めを問われ、さんざん
痛罵
(
つうば
)
されていた。
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ブラドンが下宿を出る時、クロスレイ夫人が面とむかって
痛罵
(
つうば
)
すると、彼は平然として答えた。
浴槽の花嫁
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
クリストフが
嘲笑
(
ちょうしょう
)
痛罵
(
つうば
)
を浴びせていたものはことごとく、彼にとってはこの上もなく貴重なものだった。彼がことに好んでいたのは、自然に、最も因襲的な作品であった。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
でなければ見事きわまる賢哲保身だ。それを粉飾せんが為の高踏廻避と、それを
糊塗
(
こと
)
せんが為の詩禅一致だ。
済世
(
さいせい
)
の
気魄
(
きはく
)
など薬にしたくもない。俺は夢厳和尚の
痛罵
(
つうば
)
を思いだす。
雪の宿り
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
女というものは、一体に夫に対しては常に彼の社会的地位が低いことを
痛罵
(
つうば
)
するくせに、
一旦
(
いったん
)
、ひと前へ出ると、その同じい夫の地位を本能的にとてつもなく自慢するものである。
南方郵信
(新字新仮名)
/
中村地平
(著)
随分容赦なく腹の底を見透かされて
辛辣
(
しんらつ
)
な
痛罵
(
つうば
)
などを浴びせられたに違いあるまい。
文壇昔ばなし
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
これに反してイエスは、公の問題ではあくまで祭司学者たちを
痛罵
(
つうば
)
し給うたが、私的には光風
霽月
(
せいげつ
)
、己を滅ぼそうと陰謀する敵に対してすら何の含むところ怨むところもありません。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
見よ子規子の議論はしばしば矛盾を
来
(
きた
)
し、標準しばしば動揺を招けり、始め
大
(
おおい
)
に
蓼太
(
りょうた
)
をあげ後たちまち蓼太を
痛罵
(
つうば
)
し、前年は、歌は俳句の長きもの、俳句は歌の短きものとして
毫
(
ごう
)
も差支なしと論じ
絶対的人格:正岡先生論
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
あまりの
痛罵
(
つうば
)
に平次は
呆気
(
あっけ
)
に取られました。ツイ
先刻
(
さっき
)
までは、伊勢新の腰へダニのように喰い付いていた男です。死んで、もう一文にもならないとみると、この男の毒舌には全く遠慮がありません。
銭形平次捕物控:069 金の鯉
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
尤
(
もっと
)
も、君が
痛罵
(
つうば
)
したような態度を、平生僕がとっているとすれば
虚構の春
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
痛罵
(
つうば
)
と共に、姿は駕籠に消えた。——堀織部正は先の外国奉行である。二月前の去年十一月八日、疑問の憤死を遂げたために、
流布憶説
(
るふおくせつ
)
まちまちだった。
老中の眼鏡
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
幸田露伴先生宴会の愚劣なるを
痛罵
(
つうば
)
し宴席の酒を以て
鴆毒
(
ちんどく
)
なりと言はれしが世の人の心はまたさまざまなり。
桑中喜語
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
お祭りの乞食芝居を
痛罵
(
つうば
)
した阿母さんは、鬼ばばァと
謳
(
うた
)
われながら死んだ。清元の上手な徳さんもお玉さんも、不幸な母と同じ路をあゆんでゆくらしく思われた。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
でなければ見事きはまる賢哲保身だ。それを粉飾せんが為の高踏廻避と、それを
糊塗
(
こと
)
せんが為の詩禅一致だ。
済世
(
さいせい
)
の
気魄
(
きはく
)
など薬にしたくもない。俺は夢厳和尚の
痛罵
(
つうば
)
を思ひだす。
雪の宿り
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
家成は、ヘイライどもを、
痛罵
(
つうば
)
した。——なんで、新調の方を出したか。ひと
言
(
こと
)
、自分の耳に入れないのか。瑠璃子も瑠璃子である。いまは、あの姫までが、まるで叔父叔母をわすれている。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
君の働きのなさを
痛罵
(
つうば
)
するものだから、君も大きいこと言って、何か真顔で、きょうすぐお金がはいるあてがあるなんて、まっかな嘘ついて女房を喜ばせ、女房にうんと優しくされて家を出て、さて
春の盗賊
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
義郎君などは最も
非度
(
ひど
)
く
痛罵
(
つうば
)
せられた方である。
竹乃里人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
しかし観劇中にむやみに騒ぎ立てて劇の進行を妨害し、あわせて他の多数の観客に迷惑をあたえるというのは、かの
大向
(
おおむこ
)
うの徒と
択
(
えら
)
ぶところなき無作法の
所行
(
しょぎょう
)
であると、さんざんに
痛罵
(
つうば
)
した。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
袁紹はその後、田豊を呼びつけて、彼の消極的な意見を
痛罵
(
つうば
)
した。
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“痛罵”の意味
《名詞》
痛烈に罵ること。
(出典:Wiktionary)
痛
常用漢字
小6
部首:⽧
12画
罵
常用漢字
中学
部首:⽹
15画
“痛”で始まる語句
痛
痛痒
痛手
痛々
痛快
痛哭
痛事
痛入
痛烈
痛切