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生薬屋
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きぐすりや
ふりがな文庫
“
生薬屋
(
きぐすりや
)” の例文
旧字:
生藥屋
手先の一人は取りあへず四谷伝馬町の
生薬屋
(
きぐすりや
)
を取調べたが、その当日又はその前日に赤膏薬を買ひに来た侍はないと云ふのであつた。
赤膏薬
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「とんでもない。——これを長崎仕入の積りで買わされたら大変な馬鹿を見たわけだ。こんなものはどこの
生薬屋
(
きぐすりや
)
にもありますぜ」
銭形平次捕物控:052 二服の薬
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
米友は屋根の上を
屹
(
きっ
)
と見る。
生薬屋
(
きぐすりや
)
の屋根の上へ火縄銃を
担
(
かつ
)
ぎ上げたのは、米友も知っている田丸の町の藤吉という猟師であったから
大菩薩峠:06 間の山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
すると猿股の勢力は
頓
(
とみ
)
に衰えて、羽織全盛の時代となった。八百屋、
生薬屋
(
きぐすりや
)
、呉服屋は皆この大発明家の
末流
(
ばつりゅう
)
である。猿股期、羽織期の
後
(
あと
)
に来るのが
袴期
(
はかまき
)
である。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
父は洋服に着換る為め、
一先
(
ひとまず
)
屋敷へ這入る。田崎は
伝通院前
(
でんずういんまえ
)
の
生薬屋
(
きぐすりや
)
に
硫黄
(
いおう
)
と
烟硝
(
えんしょう
)
を買いに行く。残りのものは
一升樽
(
いっしょうだる
)
を茶碗飲みにして、準備の出来るのを待って居る騒ぎ。
狐
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
父は漢法医の業を廃した人だったので、紙に三つの漢字を書いて、近くの
生薬屋
(
きぐすりや
)
に求め、それを
粉
(
こな
)
にして
呑
(
の
)
んだが少しもうまいものでなく、第一に分量が多いので閉口した。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「——行くんならね、普通の
生薬屋
(
きぐすりや
)
へ行つても駄目なんださうだ。広小路の先の、たしか黒門町あたりに、ゐもりの黒焼屋が沢山
列
(
なら
)
んでゐるね、あそこで売つてゐるんださうだ」
イボタの虫
(新字旧仮名)
/
中戸川吉二
(著)
呂方は、あだ名を
小温侯
(
しょうおんこう
)
という、根は
生薬屋
(
きぐすりや
)
あがりだが、
方天戟
(
ほうてんげき
)
の無双な達人。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
否
(
いいえ
)
。だって何処へ行っても薬の
香
(
におい
)
がするんですもの。家も
生薬屋
(
きぐすりや
)
ですけれど、向う三軒両隣り皆生薬屋よ。神田の古本屋よりも激しいわ。全く軒並みよ。道修町って妙なところでしょう?」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
生薬屋
(
きぐすりや
)
の
看板
(
かんばん
)
だよ。梅「あれは……。近「
糸屋
(
いとや
)
の
看板
(
かんばん
)
だ。梅「へえゝ……あれは。近「人が見て笑つてるに、
水菓子屋
(
みづぐわしや
)
だ。梅「へえゝ……あ
彼処
(
あすこ
)
に
在
(
あ
)
る
円
(
まアる
)
いものは
何
(
なん
)
です、かう
幾
(
いく
)
つも
有
(
あ
)
るのは。 ...
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
実際支那人の言つたやうに「変らざるものよりして之を見れば」何ごとも変らないのに違ひない。僕も
亦
(
また
)
僕の小学時代には
鉄面皮
(
てつめんぴ
)
にも
生薬屋
(
きぐすりや
)
へ行つて「
半紙
(
はんし
)
を下さい」などと言つたものだつた。
本所両国
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
腕白な方ではK町の
生薬屋
(
きぐすりや
)
の忰の西村と云うのが隊長であった。
小さな王国
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
そのすぐ近所に甲州屋という
生薬屋
(
きぐすりや
)
があって、そこのお
直
(
なお
)
という娘がお粂のところへ稽古に通っているのを、半七も知っていた。
半七捕物帳:35 半七先生
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「いや、そういうわけじゃない、第一あんな激しい毒薬は、江戸中の
生薬屋
(
きぐすりや
)
を捜したってない、——南蛮物なら知らないが——」
銭形平次捕物控:083 鉄砲汁
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
よく見るとこれは一軒の
生薬屋
(
きぐすりや
)
の店を仕切って、その狭い方へこざっぱりした
差掛
(
さしかけ
)
様のものを作ったので、中に
七色唐辛子
(
なないろとうがらし
)
の袋を並べてあるから、看板の通りそれを売る
傍
(
かたわ
)
ら
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「鮫洲の金造……。あいつならわっしも知っています。現にきのうも品川で逢いましたよ。
生薬屋
(
きぐすりや
)
の店で何か買っていました」
半七捕物帳:51 大森の鶏
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
が、町内の医者や、目黒から
白金
(
しろがね
)
、
麻布
(
あざぶ
)
一円の
生薬屋
(
きぐすりや
)
を調べさした子分が帰って来ると、兼吉のした事はすっかり引くり返されてしまいました。
銭形平次捕物控:034 謎の鍵穴
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼は久しぶりに下谷の
車坂
(
くるまざか
)
へ出て、あれから東へ
真直
(
まっすぐ
)
に、寺の門だの、
仏師屋
(
ぶっしや
)
だの、
古臭
(
ふるくさ
)
い
生薬屋
(
きぐすりや
)
だの、徳川時代のがらくたを
埃
(
ほこり
)
といっしょに並べた道具屋だのを左右に見ながら
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「芝口の下駄屋の娘で、兄貴は家の職をしていて、弟は両国の
生薬屋
(
きぐすりや
)
に奉公しているそうです」と、源次は説明した。
半七捕物帳:22 筆屋の娘
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
石見銀山の
鼠取
(
ねずみと
)
りを酒で呑んで、一緒に死ぬ気でいましたがいざとなって石見銀山が手に入らなかったので、本郷三丁目の
生薬屋
(
きぐすりや
)
で、
附子
(
ぶし
)
を買って来て酒に入れ
銭形平次捕物控:122 お由良の罪
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それを心から感心して見るのは、どうしたって、本町の
生薬屋
(
きぐすりや
)
の
御神
(
おかみ
)
さんと同程度の頭脳である。こんな
謀反人
(
むほんにん
)
なら幾百人出て来たって、徳川の天下は今日までつづいているはずである。
明治座の所感を虚子君に問れて
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
陰
(
かげ
)
ってはいるが、きょうは雨やみになっているので、半七はあさ飯の箸を
措
(
お
)
くとすぐに町内の
生薬屋
(
きぐすりや
)
へ行った。
半七捕物帳:20 向島の寮
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「お銀さんがみんな知っている。手前は大名のお部屋様を口説き廻したろう、
太
(
ふて
)
え奴だ、——もっと証拠が欲しかったら手前が鼠取りを買った
生薬屋
(
きぐすりや
)
を
伴
(
つ
)
れて来ようか」
銭形平次捕物控:045 御落胤殺し
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「いいえ。一軒
隔
(
お
)
いて隣りの備前屋という
生薬屋
(
きぐすりや
)
の娘さんでございます」と、勘蔵は答えた。
半七捕物帳:29 熊の死骸
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
今から十一、二年前のことだが、私は偶然のことから気がついて
生薬屋
(
きぐすりや
)
からいぼたを買って来た。ちょうど刀の
打粉
(
うちこ
)
のように
金巾
(
かなきん
)
の袋に入れてレコード面に
敲
(
たた
)
きつけて拭いて見た。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
うすら寒い日も毎日つづいた。半七もすこし風邪をひいたようで、重い
顳顬
(
こめかみ
)
をおさえながら長火鉢のまえに
欝陶
(
うっとう
)
しそうに坐っていると、町内の
生薬屋
(
きぐすりや
)
の亭主の平兵衛がたずねて来た。
半七捕物帳:20 向島の寮
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
その晩、佐久間町の
生薬屋
(
きぐすりや
)
へ、「疾風」が押し入りました。
銭形平次捕物控:036 八人芸の女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ところが、親類に
生薬屋
(
きぐすりや
)
があるんですがね」
銭形平次捕物控:011 南蛮秘法箋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「それから、
生薬屋
(
きぐすりや
)
はどうした」
銭形平次捕物控:041 三千両異変
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
生
常用漢字
小1
部首:⽣
5画
薬
常用漢字
小3
部首:⾋
16画
屋
常用漢字
小3
部首:⼫
9画
“生薬”で始まる語句
生薬
生薬問屋
生薬商人