たいまつ)” の例文
は人にたすけられて高所たかきところ逃登にげのぼはるか駅中えきちゆうのぞめば、提灯ちやうちんたいまつともしつれ大勢の男どもてに々に木鋤こすきをかたげ、雪をこえ水をわたりこゑをあげてこゝにきたる。
(貴樣、おれを殺すつもりか、大逆無道者!)とたいまつのやうな眼光で睨まれた、臆しもせず淵邊の野郎が、そのお膝をりつけ、御身體に馬乘りになつて咽喉を突きかけると
滑川畔にて (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
こしもとをしてはうきひともたいまつごとくにしてあまねせしむ。令史れいしあわまどひて、かたはらにありおほいなるかめなか匐隱はひかくれぬ。須臾しばらくしてつまはやうまりてゆらりと手綱たづな掻繰かいくるに、はうきしたり、こしもとるべきものなし。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
燃残もえのこりたるたいまつ一ツをたよりに人も馬もくびたけ水にひたり、みなぎるながれをわたりゆくは馬をたすけんとする也。
たちまち、たいまつのごとく燃ゆる、おもほてりを激しく感じた。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
両人たいまつをふりてらしてこゝかしこをみるに光るものさらになく、またあやしむべきをみず、さては人のいふは空言そらごとならん、いざとてかへらんとしけるに、水上にはか光明くわうみやうはな
両人たいまつをふりてらしてこゝかしこをみるに光るものさらになく、またあやしむべきをみず、さては人のいふは空言そらごとならん、いざとてかへらんとしけるに、水上にはか光明くわうみやうはな
此ほとり用水にとぼしき所にては、ひでりのをりは山について井をよこほりて水をる㕝あり、ある時井を掘て横にいたりし時あなくらきをてらすためにたいまつを用ひけるに、陽火やうくわ陰火いんくわたちまもえあがり