漸々よう/\)” の例文
此の人も色々そこなってそんをいたして居りますが、漸々よう/\金策を致しまして三千円持って仕入れに参りまして、春見屋へ来まして。
朝飯の準備が今漸々よう/\出來たところと見えて、茶碗や皿を食卓に竝べる音が聞える。無精者の細君は何やら呟々ぶつ/\子供を叱つてゐた。
足跡 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
もう川へ落ちたり田の中へ落ちましたりして、漸々よう/\の事で此方こちらまで参りましたが、何うか一晩お泊めなすって下されますれば有難い事で
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
仇口あだぐちをきゝながら、がらりと明けますと、どん/\降る中をびしょ濡になって、利かない身体で赤ん坊を抱いて漸々よう/\と縁側から
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
幸「どうか願います、お近いから近日柳島の宅へ一度来てください、漸々よう/\此間こないだ普請ふしんが出来上ったばかりだから、種々誂えたいものがあります」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
其の書遺かきのこした一通を新吉が一人で開いて見ますると、病人のことで筆も思う様には廻りませんから、ふるえる手で漸々よう/\書きましたと見え、その文には
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
と挨拶をしながら立って、戸棚の中を引掻きまわして、漸々よう/\菓子皿を探して、有合せの最中を五つばかり盛って出し
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
どうも仕方がないから此の通り秋はきこりをして、冬になれば猟人かりゅうどをして漸々よう/\に暮している、実に尾羽打枯らした此の姿で、此所こゝで逢おうとは思わなんだのう
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
難行苦行して漸く江戸へ着いた所が、頼る所もねえのでみい投げて死のうかと思う所を助けられ、其の人のうちに十一年の間奉公をして、漸々よう/\人になりやした。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
お竹は漸々よう/\に其の様子を察して、可笑おかしゅうは思いましたが、また気の毒でもありますからにっこり笑って
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
今日は番頭に頼んで何んでもかんでもひけ前には屹度帰るからと云って、漸々よう/\暇を貰って来たくらいだから、もう三年ばかりは何うしても来る事は出来ないので
奪取うばいとった三千円の金から身代を仕出し、たいしたものになりましたのに引替え、助右衞門のせがれ重二郎は人力をいて漸々よう/\其の日/\を送る身の上となりましたから
其の内船は漸々よう/\向河岸むこうがしへ着きましたが、勇助はまた泳ぎ付き、舷へ手を掛け、船の中へ飛上ろうとする処を、喜代松に水棹を以て横に払われ、バタリと倒れたが
其の晩はまして、翌日立とうとするを彼是と引留められまして、昼少し過ぎに漸々よう/\振切って出立しますと、此方こなたは親子三人で須賀川すかがわどてまで送ってまいりました。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
これを調べたいと思召したが、夫婦とも死んで居ります事ゆえ、吟味の手懸りがないので、深く心痛いたされまして、漸々よう/\に幸兵衛が龜甲屋お柳方へ入夫にゅうふになる時
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
漸々よう/\上総戸かずさどを明けて忍び足で中へ這入りまして、板の間から小兼は上りまして、手探りで探り寄ると、敷布団に手が障りましたから、ぴったり枕元へ坐りまして
漸々よう/\此の位に仕上げたから、これから私が楽をしようと思ってるに、いやおうもあるものか、親の言葉を背く餓鬼ならば女郎じょうろにでも叩き売って仕舞います、いたふう
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
音「若しえ、おまはん生憎今夜はお客が立込んでお話もできず居たんざますが、漸々よう/\今客衆もみんな帰ったから、まア/\緩くり話でもしましょうから、待ちなましよ」
土蔵を抵当にしまして、漸々よう/\のことで利の食う金を借りて、三千円資本もとでを持って出て参ったでがんすから、宿屋へ此の金を預けて仕入しいれをするのだが、滅多にねえから
その中をどん/\滑る路を漸々よう/\と登りまして芝原へおやまを引据ひきすえて、三人で取巻く途端、秋の空の変りやすたちまちに雲は晴れ、を漏れる月影に三人の顔をにらみ詰め
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
介抱したしるしがあって漸々よう/\気がついてわしも悦ばしゅうございますが、決して心配をなさいますなよ
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
庵主をうのだよ…、手前どもは相州東浦賀の者でございますが、今日こんにち漂流致しまして、漸々よう/\此所迄こゝまで参ったので、決して胡散うさんな者ではないから一泊願いとうございますが
此のお繼と二人三年越し巡礼に成って西国三十三番の札所を巡りまして、漸々よう/\の事で今日こんにち只今敵に逢いましたと存じまして、是へ参って承わりましても、貴方のお年は四十一歳
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
へい番町ばんちょう栗橋くりはし様が御当家様こちらさまは、真影流しんかげりゅう御名人ごめいじんと承わりました故、うぞして御両家の内へ御奉公にあがりたいと思いましていましたところ漸々よう/\の思いで御当家様こちらさまへお召抱めしかゝえに相成り
十一歳の時から今日きょうまで剣術を覚えたいと心掛けて居りましたが、漸々よう/\のことで御当家様にまいりまして、誠に嬉しゅうございます、是からはお剣術を教えていたゞき、覚えました上は
斯う云う処にいらっしゃろうとはちっとも知りませんで、昨夜ゆうべも今日も先刻さきほどまでも貴方のお噂が漸々よう/\重なって、ポンと衝突ぶッつかって此処でお目にかゝるなんてえのは誠に不思議でげすが
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
大小を六本し、帯を三本締めるなど大変な騒ぎで、漸々よう/\支度が整ったから、お國とともに手を取って忍びでようとするところを、仲働きの女中お竹が、先程より騒々しい物音を聞付け
と呼ぶ声が耳へ這入ったか、我にかえって片手を漸々よう/\出して茂之助の手へすがって
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
その階梯を降りまして漸々よう/\手さぐりで参りますと、暫くの間廊下のようになって、先に広い斯う座敷の様な所で、廻りが杉戸のような物が二重に建って居りまして、中に人は居りますが
そでを噛んだなりで泣き倒れましたが、暫くあって漸々よう/\顔を上げまして
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
と箸を二本まとめて漸々よう/\沢山捲き上げ、老女がしきりに世話をいたして
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
女「いえ最う過去すぎさりました事で、今はもう諦めて仕舞いました、ト申すと何か不実なようでございますが、去る者日々に疎しとやらで、漸々よう/\忘れてしまいましたが、深川の方に少々身寄が有りますので」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
お筆は漸々よう/\顔を上げまして
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
お筆は漸々よう/\顔を上げまして
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)