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渇望
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かつぼう
ふりがな文庫
“
渇望
(
かつぼう
)” の例文
眠りは、ないか。もっと、もっと、深い眠りは無いか。あさましいまでに、私は、熟睡を
渇望
(
かつぼう
)
する。ああ、私は眠りを求める
乞食
(
こじき
)
である。
春の盗賊
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
そしてかれのたましいは、この神の
輪舞
(
りんぶ
)
に加わりたいと
渇望
(
かつぼう
)
した。巨大な、木製のみだらな象徴が、むき出しにされて高くかかげられた。
ヴェニスに死す
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
けれども腹はなかなか
癒
(
い
)
えない。なおその喰っただけが食物を
渇望
(
かつぼう
)
する動機になったものかぐうぐう腹が鳴って仕方がない。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
だから古来の名将は、かならずその
渇望
(
かつぼう
)
をむなしくしない。いや、戦うまえに、その意義と正義を旗のうえに持たなければ、戦わないのが兵法である。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
此
(
こ
)
の上は、速かに解除警報の御許可を、お与え下さい。市民は、軍部の、正しいアナウンスを、
渇望
(
かつぼう
)
して居ります。一刻おくれると、市民の混乱は拡大いたします」
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
今までは政治界で崇拝される英雄もあり、実業界で崇拝される金満家もあるけれども人の家庭で崇拝される偉人がない。しかるに人の家庭は今最も救世主を
渇望
(
かつぼう
)
しておる。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
私
(
わたくし
)
は
人並
(
ひとなみ
)
の
生活
(
せいかつ
)
を
好
(
この
)
みます、
実
(
じつ
)
に、
私
(
わたくし
)
はこう
云
(
い
)
う
窘逐狂
(
きんちくきょう
)
に
罹
(
かか
)
っていて、
始終
(
しじゅう
)
苦
(
くる
)
しい
恐怖
(
おそれ
)
に
襲
(
おそ
)
われていますが、
或時
(
あるとき
)
は
生活
(
せいかつ
)
の
渇望
(
かつぼう
)
に
心
(
こころ
)
を
燃
(
も
)
やされるです、
非常
(
ひじょう
)
に
人並
(
ひとなみ
)
の
生活
(
せいかつ
)
を
望
(
のぞ
)
みます、
非常
(
ひじょう
)
に
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
大佐
(
たいさ
)
の
好遇
(
かうぐう
)
にて、
此處
(
こゝ
)
で、
吾等
(
われら
)
は
水兵等
(
すいへいら
)
が
運
(
はこ
)
んで
來
(
き
)
た
珈琲
(
カフヒー
)
に
咽
(
のど
)
を
霑
(
うる
)
ほうし、
漂流
(
へうりう
)
以來
(
いらい
)
大
(
おほい
)
に
渇望
(
かつぼう
)
して
居
(
を
)
つた
葉卷煙葉
(
はまきたばこ
)
も
充分
(
じゆうぶん
)
に
喫
(
す
)
ひ、また
料理方
(
れうりかた
)
の
水兵
(
すいへい
)
の
手製
(
てせい
)
の
由
(
よし
)
で、
極
(
きは
)
めて
形
(
かたち
)
は
不細工
(
ぶさいく
)
ではあるが
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
一
(
いつ
)
は以て
内
(
うち
)
政府
(
せいふ
)
を改良するの好手段たり、一挙両得の策なり、いよいよ
速
(
すみ
)
やかにこの挙あらん事を
渇望
(
かつぼう
)
し、かつ種々心胆を
砕
(
くだ
)
くといえども、同じく金額の乏しきを以て、その計画成るといえども
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
私は今までかつて感知したことのなかったまぼろしの社会というものに対して
渇望
(
かつぼう
)
していたので、実生活の間にそれを
漁
(
あさ
)
ると同時に、わたしの幽霊の
伴侶
(
つれ
)
に長いあいだ逢えないでいるということに
世界怪談名作集:12 幻の人力車
(新字新仮名)
/
ラデャード・キプリング
(著)
と、張飛は、自身の剣をすぐ解き捨て、
渇望
(
かつぼう
)
の名剣を身に
佩
(
は
)
いていかにもうれしそうであった。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
世の俗物どもを大声で
罵倒
(
ばとう
)
したいと
渇望
(
かつぼう
)
した。
やんぬる哉
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「お取り上げになる日を、わたくしたち、どれほど
渇望
(
かつぼう
)
しているか知れませぬ」
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これは
中
(
あた
)
っていた。さっきから信長の眼はそれを明らかに
渇望
(
かつぼう
)
している。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼が
随喜
(
ずいき
)
したものは、彼が産も家系もない庶民の一人だけに、かえって正直に理解される現状の世の中の悪さと、将来に
渇望
(
かつぼう
)
されるものにあった。——人よりも、その革新精神の旗じるしにあった。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(
卿
(
けい
)
ら、
渇望
(
かつぼう
)
の水、飽くほど飲むべし。これやこれ、
末期
(
まつご
)
の水ぞ)
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
渇
常用漢字
中学
部首:⽔
11画
望
常用漢字
小4
部首:⽉
11画
“渇”で始まる語句
渇
渇仰
渇仰者
渇水
渇驥
渇命
渇情
渇者
渇虎
渇仰随喜