なく)” の例文
あげ泣出なきいだすゆゑ越前守殿は言葉ことばしづかにコリヤ/\三吉最少もつと前へ出よ何も怕事こはいことはなしなくな/\サア/\好物いゝものを遣はさうと饅頭まんぢうを紙にのせて與へられ是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
町奉行所へうったえ出たる事ありと、或る老人の話しなるが、それかあらぬかかく、食物を与えざるもなくこと無く、加之しかのみならず子供が肥太こえふとりて、無事に成長せしは、珍と云うべし。
枯尾花 (新字新仮名) / 関根黙庵(著)
武は余りビツクリしてなくにもなかれず、これから泣くのも、少くきまりがわるいといふところ
鼻で鱒を釣つた話(実事) (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
胸に縮めて寒げにかぢけ行くのみなくこゑはなし涙は雨に洗はれしなるべし此の母の心は如何ならん夫は死せしかやみて破屋の中に臥すかいづれに行かんとし又何をなさんとするや胸に飮む熱き涙に雨を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
ちょうど此方こっちの御飯が済んで台所を片付けておりましたら何だか大原さんのお家の方でゴタゴタする声が聞えますからちょいと駈出してのぞきましたところ、あのお代さんがおおきな声を揚てなくやらわめくやら
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
なくことばかりでうしべえと思ってよ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「ほんとうになくよりわらいだねえ。」
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
塚も動けわがなく声は秋の風 芭蕉
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
五つ、いやでもなくとき
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
呼び始終しじう事共ことども委曲くはしくはなし又七樣へきずを付け其身も咽喉のんどすこ疵付きずつけ情死しんぢうと云ひてなくべしとをしへ頼み居たるを長助は物影ものかげより是をきゝて大いに驚きながらなほいき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
なくとき
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
仇なる畜生めと病の中に父の腹立はらだち此怒りをなだめんにもなくより外の事もなく心ぼそさにあとや先昔はおん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)